

102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.681
ドリンク選びで未来が変わる。内臓脂肪と血糖値の新常識⑤ ◇“太る飲み物”の代表と思いきや──牛乳はむしろ太りにくさに貢献する? Q. 脂肪が多い牛乳は太りやすい飲み物ですよね? A. 実は、牛乳をよく飲む人のほうが太りにくいというデータもあります。 「牛乳=脂肪が多い=太る」というイメージ、ありますよね。 でも、牛乳の脂肪は3〜4%ほどで、その中には体脂肪になりにくい短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸が多く含まれています。 さらに、アメリカの大規模調査では、乳製品の摂取量と体重には明確な関連が見られなかったという報告もあります。 つまり、「牛乳を飲むと太る」という単純な話ではないということ。 ただし注意点もあります。 牛乳の脂肪には、飽和脂肪酸という、炎症や動脈硬化と関係する成分も含まれています。 赤坂ファミリークリニックの伊藤明子院長は、 「メタボ対策が必要な人は、無脂肪乳や低脂肪乳を選ぶのがおすすめ」 と話しています。 牛乳は“太る飲み物”と決めつけるのではなく、自分の健康状態に合わせて選ぶことが大事なんですね


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.680
ドリンク選びで未来が変わる。内臓脂肪と血糖値の新常識④ ◇夜のカフェインは“やせスイッチ”を壊す──太りやすさを招く意外な落とし穴 Q. カフェインの脂肪燃焼効果はいつでも同じ? A. 夜に飲むとかえって太りやすくなる可能性があります。 コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには、脂肪の燃焼を高める働きがあります。 ただし、この効果は“いつ飲んでも同じ”というわけではありません。 実は、夜にカフェインをとっても脂肪燃焼効果がほとんど発揮されないことが、動物試験で確認されています。 カフェインが脂肪を燃やす仕組みは、交感神経を活発にすることによるものです。 ところが、夜にカフェインをとると、この交感神経の興奮が体内時計をずらしてしまうことがあります。 これが、夜に濃いコーヒーや緑茶を飲むと眠れなくなる理由でもあります。 体内時計とは、体が1日のリズムを刻むための大切なシステムのこと。 このリズムと実際の生活にズレが生じると、太りやすく、やせにくい体質になりやすいことがわかっています。 つまり、夜のカフェインは脂肪燃焼効果を打ち消すだけでなく、太りやす


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.679
ドリンク選びで未来が変わる。内臓脂肪と血糖値の新常識③ ◇Q. コーヒーや緑茶は飲むだけでやせる? A. “飲むだけ”では変わらない。でも、運動と組み合わせれば一気に味方になる 。 コーヒーや緑茶、紅茶に含まれるカフェインやポリフェノールには、脂肪燃焼を後押しする働きがある──そんな話を耳にしたことがある人は多いはず。 なのに「毎日飲んでるのに、全然やせない…」と感じたことがある人もいるだろう。 その理由はシンプル。 日常のエネルギー消費が少ないと、せっかく“燃えやすい体”になっても、燃やす材料が動き出さない。 つまり、ガソリンを入れても車を走らせなければ減らないのと同じ。 では、この“燃焼ブースト”をどう使えばいいのか。 答えは── コーヒーや緑茶を、運動の前に飲むこと。 有酸素運動の前にカフェインや茶カテキンをとると、普段よりエネルギー消費が高まるという研究は複数ある。 さらに興味深いのは、その効果は午前より午後のほうが高いという報告も出てきていること。 つまり、 午後の散歩前にコーヒーを一杯。 夕方の買い物前に緑茶を一杯。...


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.678
ドリンク選びで未来が変わる。内臓脂肪と血糖値の新常識② ◇Q.甘い飲み物が欲しくなったら? A.炭酸×薄ジュース”で救われる ダイエット中でも、ふと甘い飲み物が恋しくなる瞬間は誰にでもある。 しかし、そのたびに清涼飲料水や甘いカフェドリンクへ手が伸びてしまうと、体重は静かに右肩上がり。 実際、疫学研究でも“清涼飲料水の習慣は肥満と明確に関連する”ことが示されている。 そこでおすすめなのが、炭酸水にジュースをほんの少しだけ混ぜる「薄ジュース炭酸」。 甘さの満足感は残しつつ、糖分はぐっと控えめ。 気分転換にもぴったりで、ダイエットの脱線を防ぐ強い味方になる。 「甘いものが飲みたい…」その衝動、選び方ひとつで未来が変わる。 問題は“どれだけ”ではなく、“どんな糖質か”だ。 清涼飲料水に多く使われる果糖ブドウ糖液糖は、吸収が異常に早く、しかも砂糖より甘い。 その強烈な甘さに舌が慣れてしまうと、より甘いものを求めてしまい、結果として食べ過ぎにつながる。 こうした“甘味依存のスパイラル”こそが、肥満と深く関わっていると考えられている。 とはいえ、人間だもの。


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.677
ドリンク選びで未来が変わる。内臓脂肪と血糖値の新常識① 食事には気をつけているのに、なぜか内臓脂肪が落ちない——。 その理由、実は“飲み物”に潜んでいるかもしれません。 「ドリンクくらい大したことない」と油断しがちですが、同じ飲み物でも“飲み方”と“選び方”次第で、内臓脂肪のつき方も血糖値の上がり方も大きく変わります。 今回からの新シリーズでは、知っているようで知らない“飲み物の正しいつき合い方”をQ&A形式でわかりやすく毎土曜日に紹介していきます。 ◇Q. 100%ジュースを飲むのは、果物を食べるのと本当に同じなのか!? A. 100%ジュースは果物と同じだと思って飲んでいる人は少なくありません。しかし、この考え方には注意が必要です。果物にはビタミン、食物繊維、抗酸化作用のあるポリフェノールなど、体に役立つ成分が豊富に含まれています。厚生労働省が推進する「健康日本21」でも、1日200g程度の果物摂取が推奨されています。 一方で、「果物の代わりにジュースを飲めば同じ」というわけではありません。 糖質の吸収や代謝に詳しい岐阜大学医学部附属病院の飯


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.676
「畑の肉」を超える力──発酵が引き出す“大豆の真価⑦ ◇発酵が大豆を“別物”に変える──動脈硬化を遠ざける可能性 発酵させた大豆には、ただの大豆とはまったく違う力が宿ることが、いくつもの研究から見えてきています。徳島県の成人男性652人を対象にした調査では、発酵大豆製品をよく食べる人ほど、動脈硬化の指標(baPWV値)が有意に低いという結果が出ました。一方で、発酵していない大豆製品では、この関連は見られませんでした。 発酵の過程で大豆の硬い構造がほぐれ、栄養素や機能性成分が吸収されやすくなること、さらに抗酸化作用が高まることが、この差につながっていると考えられています。「同じ大豆なのに、体の中での働きがこんなに変わるのか」と思わずうなってしまうほどの違いです。 大豆をよく食べる人は“インスリン抵抗性”が低いという事実 徳島県の成人男女1148人を対象にした別の研究では、大豆製品を多く食べる人ほどインスリン抵抗性が低いことが明らかになりました。 インスリン抵抗性が高い状態とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンに細胞が反応しにくくなり、血糖値が


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.675
102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.675 「畑の肉」を超える力──発酵が引き出す“大豆の真価⑥ ◇🫘 「大豆、脳まで救うのか?」 大豆が“脳の健康”にも関わっているかもしれない——そんな気になる話を続けていこう。 大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることで知られている。 前述の中本先生らがNILS-LSAのデータを使って行った研究(Eur J Clin Nutr. 2018 Oct; 72(10): 1458-1462.)では、60歳以上の女性を対象に、豆類・大豆製品・イソフラボンの摂取量と認知機能との関係を調べている。 その結果、これらをよく食べている人ほど認知機能障害になりにくいことが分かった。 具体的には、摂取量が多いグループでは、認知機能障害の発症がおよそ半分に抑えられる傾向が見られたという。 オッズ比で見ると、 • 豆類:0.48 • 大豆製品:0.51 • イソフラボン:0.55 と、どれも“しっかり食べているほどリスクが下がる”という結果になっている。...


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.674
「畑の肉」を超える力──発酵が引き出す“大豆の真価⑤ ◇発酵で“大豆の底力”が一気に目を覚ます 大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど、植物性たんぱく質がたっぷり含まれた優秀な食材だ。 それだけでなく、ビタミンB群や食物繊維、さらに健康効果が期待される“機能性成分”まで備えている。 でも実は、大豆の力はここで終わらない。 「発酵」させることで、そのパワーはさらに強くなる。 発酵によって期待できるのは、 • 抗酸化作用のアップ • 栄養素の吸収率アップ • 複数の栄養素の含有量アップ など、まさに“大豆の潜在能力を引き出す魔法”のような効果だ。 このシリーズではこれまで、大豆や発酵大豆食品の栄養価、機能性成分、食べるタイミング、そしておすすめの組み合わせを紹介してきた。 後編となる今回からは、大豆がもたらす健康効果や、食べすぎによるリスクはあるのかといったポイントを、やさしく解説していきます。 ◇大豆で寿命が伸びる?死亡リスクが“60%以上”下がった研究も まず注目したいのは、大豆と「死亡リスク」の関係だ。 大豆製品をよく食べる人は、寿命に深く


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.673
「畑の肉」を超える力──発酵が引き出す“大豆の真価④ ◇🌱 大豆を摂る“ゴールデンタイム”は朝 大豆の健康効果をしっかり引き出すには、「どのタイミングで食べるか」を意識すると、日々の積み重ねがより大きな変化につながる。 とくに注目したいのが “朝” だ。 朝に大豆たんぱく質を摂ることで、腸内細菌の多様性が高まるという報告がある (Nutrients. 2019 Dec 27; 12(1): 87.)。 腸内細菌が元気に働き始める時間帯に大豆を届けることで、腸内環境がより整いやすくなると考えられている。 ■ 朝に大豆をとるメリット • 腸内細菌が活動を始めるタイミングに栄養を届けられる • 腸内環境のバランスが整いやすくなる • その日のリズムが軽やかにスタートする ■ 無理なく続けるための“好きな大豆” 大豆の効果を得るには、毎日の食事に自然に組み込めることが大切。 納豆が苦手なら、香りのやさしい豆腐や豆乳から始めてもいいし、手軽な大豆製品をいくつか試して「これなら続けられる」という一品を見つけるのがコツ。 朝の味噌汁に豆腐を入れる


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.672
「畑の肉」を超える力──発酵が引き出す“大豆の真価③ ◇発酵で大豆が“覚醒”する 大豆はそのままでも優秀な食材だけれど、「発酵」が加わるとまるで能力が開花したようにパワーアップする。 こうじ菌・酵母・納豆菌などの微生物が働くことで、栄養価が一気に高まるのだ。 抗酸化パワーが一段とアップ 発酵中に微生物がつくり出す酵素や代謝物(抗酸化ペプチドなど)が、大豆の抗酸化作用をさらに強くしてくれる。 さらに、イソフラボンの形が発酵によって“体内で働きやすい形”に変わるため、アンチエイジングに関わる抗酸化力がぐっと高まる。 栄養の吸収率がぐんと上がる 大豆にはレクチンやフィチン酸といった「抗栄養素」が含まれており、これらは栄養の吸収を妨げることがある。 しかし発酵の過程で、微生物がこれらを分解してくれるため、栄養素が体に取り込まれやすくなる。 さらに、硬い細胞壁が発酵でほぐれることで、吸収効率はさらにアップ。 発酵は、大豆の栄養を守るだけでなく、「複数の栄養素そのものを増やす」という驚きの効果まで生み出す。 ビタミン B2や葉酸は、微生物が大豆を分解する過程









































