

102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.694
命を奪う“隠れ脱水”──酷暑は静かに脳を狙ってくる② ◇脱水は“最初の一滴”から命を奪う──酷暑が仕掛ける見えない罠 熱中症は、突然倒れる瞬間だけが“事件”ではない。 その前に必ず、静かで見えない“序章”がある──それが 体内の水分が奪われ始める瞬間だ。 蒸し暑い環境に置かれた人間の体は、必死に体温を守ろうとする。 血管を広げ、熱を皮膚へ逃がし、汗を流し続ける。 この生命維持の仕組みはすべて 水分 によって支えられている。 だからこそ、水が減り始めた瞬間から、体は静かに壊れ始める。 成人の体の約60%は水でできている。 そのうち 3〜5%が失われれば軽度の脱水症、 6〜9%で中度、 10%を超えれば重度の脱水症──体温を逃がす力が失われ、熱が体内に閉じ込められる“異常高体温”へと転落する。 つまり、熱中症は突然起こるのではなく、 「脱水」という小さな崩壊が積み重なり、最後に一気に命を脅かす病態へ変貌する。 水分を失う場面は、真夏の炎天下だけではない。 運動、サウナ、胃腸炎による下痢や嘔吐、高熱、利尿剤の服用── そして多くの人が誤解しているが


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.693
命を奪う“隠れ脱水”──酷暑は静かに脳を狙ってくる① 昨夏、日本の平均気温は観測史上最高を記録し、全国が“命の危険を感じる暑さ”にさらされた。 そして今年も、気象庁は「全国的に平年より高温、猛暑の見込み」と警告している。 高温と高湿度が続くと、体内の水分は想像以上のスピードで失われる。 脱水は熱中症だけでなく、脳梗塞や心臓のトラブルなど、命に直結する病気を引き起こす“静かな凶器”。 夏は、体を守るための知識と行動が生死を分ける季節だ。 今回、熱中症・脱水症対策の第一人者、済生会横浜市東部病院 患者支援センター長・谷口英喜先生の、 「酷暑を生き抜くための実践的な脱水予防術」 を引用し、 あなたの夏を守るための必修科目をお伝えしていきます。 ◇日本はもう亜熱帯──熱中症で倒れる人が止まらない“危険な夏” 日本の夏は、もはや“亜熱帯化”が進んでいる。 2000年に「熱中症」という定義が生まれて以降、熱中症で救急搬送される人は右肩上がりに増え、 ここ数年は年間1000人以上が命を落とす年が続いている(2021年を除く)。 済生会横浜市東部病院 患者支援


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.692
心が晴れない毎日から抜け出す 女性に多い“もやもや不安”の見分け方と対策⑥ 最終回 ◇不安に振り回されない心へ──“整える習慣”があなたを守る 心を静める力は、毎日の小さな習慣から育つ 不安は、突然押し寄せてくる嵐のように思えるけれど、実は“整える習慣”を身につけることで、ゆっくりと弱まっていく。 心がざわつく日が続くときこそ、体の緊張をほどき、呼吸を整え、心のスペースを広げる時間が必要だ。 そのために最も取り入れやすいのが、深呼吸というシンプルな技法。 3秒かけてゆっくり息を吐き、3秒かけて自然に吸う。 このリズムを5分ほど続けるだけで、副交感神経が働きはじめ、体は「安心していいよ」とささやき始める。 不安と戦うのではなく、不安と共存できる自分を育てる。 その第一歩が、今日のたった数分の呼吸だ。 ◇不安にしばられない心へ──“ほぐす習慣”が人生を軽くする こわばった心と体をゆるめると、世界の見え方が変わる 不安にとらわれやすい人は、どうしても“悪いほう”ばかりに目が向きがち。 気づけば肩は上がり、呼吸は浅くなり、心も体もぎゅっと固まってしまう


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.691
心が晴れない毎日から抜け出す 女性に多い“もやもや不安”の見分け方と対策⑤ ◇不安の未来図は書き換えられる──“イメージの力”で心の迷路から抜け出す もやもや不安対策4:未来の不安イメージを書き直す 心理学の認知行動療法には、 つらい記憶のイメージを書き換えて克服する方法があります。 これは、未来に対する不安にも応用できると清水先生は言います。 たとえば、 「上司に叱られるのではないか」といつも怯えてしまう場合。 まず、叱られる場面を目を閉じてイメージし、シナリオとして書き出す。 次に、そのシナリオを“第三者目線”に書き直す。 そこに、自信に満ちた自分を登場させる。 上司には冷静に指導し、叱られた自分には 「君は悪くないよ」と思いやりの言葉をかける。 大切なのは、 その場の主導権を自分が握ること。 イメージの力は強く、 未来への不安が“自分で扱えるもの”に変わっていきます。 もやもや不安対策5:解決策を一つに絞って実行する 不安が強い人は、 同じ悩みを何度も反芻し、 「もっと良い解決策があるはず」と考え続けてしまいます。 しかしこれは、かえって


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.690
心が晴れない毎日から抜け出す 女性に多い“もやもや不安”の見分け方と対策④ ◇もやもや不安対策② “石橋を叩きすぎる自分”を手放すと、心はぐっと軽くなる** 不安を抱えやすい人には、ある共通点がある。 それは、「絶対に失敗したくない」「100%安全じゃないと動けない」という強い思いだ。 いわゆる、 石橋を叩いて壊すタイプ あるいは 石橋を叩きすぎて渡れなくなるタイプ。 清水栄司教授はこう指摘する。 「完璧主義や過剰な責任感を持つ人は、自分の目標設定が高すぎて、達成できないことが多い。その結果、常にプレッシャーやストレスを感じ、不安を抱えやすくなります」 ◆完璧じゃないとダメ、は自分を追い詰めるクセ たとえば、100点満点のテストで99点を取ったとする。 多くの人は「よくできた」と満足するだろう。 でも、完璧主義の人は違う。 「1点落とした…次は100点じゃないと終わりだ」 そんなふうに、自分を責め続けてしまう。 これでは、心が休まる暇がない。 自分の責任の範囲”には限界がある 清水氏はこう続ける。 「自分一人で責任を背負う必要がない場面は多いです


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.689
心が晴れない毎日から抜け出す 女性に多い“もやもや不安”の見分け方と対策③ ◇その“不安の霧”は晴らせる――まずは、自分の不安を言葉にしてみる なんとなく胸がざわつく。 理由がはっきりしないのに、頭の中でもやもやが広がっていく。 そんな“止まらない心配”に悩まされていないだろうか。 実は、不安が強く続く背景には、思考や行動のクセが潜んでいることが多い。 そのクセを少しずつ修正していくことで、不安は確実に軽くなる。 専門家に教わったのは、 不安は「客観視」と「トレーニング」でやわらぐということ。 不安を弱める第一歩は「自分の不安をはっきりさせる」こと 不安が強くなると、 ・避けたい気持ちがふくらむ ・行動がどんどん狭くなる ・プレッシャーに押しつぶされそうになる そんな悪循環に陥りやすい。 千葉大学大学院医学研究院の清水栄司教授はこう話す。 「何が不安なのかわからないまま心配してしまうことは多いんです。 まずは、自分が何を不安に思っているのかを言葉にすることが第一歩です。 “不安の迷路”から抜け出すには、不安を抱えている自分を第三者の視点で眺め


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.688
心が晴れない毎日から抜け出す 女性に多い“もやもや不安”の見分け方と対策② ◇その不安、性格のせいだけじゃない。“ずっと心が晴れない人”が抱えている本当の理由 「心配性なんです」と言うと、なんとなく“性格の一部”のように聞こえますよね。 実際、これまでの研究では、性格の約40%は親から受け継いだ気質が関わっているといわれています。そこに、これまで生きてきた環境や経験が重なり合って、“不安になりやすさ”が形づくられていくのだそうです。 ただ、その不安が強くなりすぎて、長く心を占領するようになると、医学的には「不安症」と診断されることがあります。 放っておくと、心のエネルギーがすり減り、うつ病につながってしまうこともあるため、早めに気づくことがとても大切です。 同じ不安症でも、タイプによって感じ方は大きく違います。 ●パニック症(パニック障害) 突然、胸がドキドキして息が苦しくなり、「このまま死んでしまうのでは」と思うほどの強い発作が起こります。 発作そのものは数分でピークに達し、やがて落ち着いていきますが、「また起きたらどうしよう」という恐怖がつ


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.687
心が晴れない毎日から抜け出す 女性に多い“もやもや不安”の見分け方と対策① 「なんだかいつも心が落ち着かない」 「理由はないのに、ずっと不安がつきまとって楽しくない」 そんな“もやもや不安”を抱えたまま、毎日を過ごしていないだろうか。 健康、仕事、人間関係、災害、子どもの進学、お金のこと…。 不安のタネは探せばいくらでも出てくる。 でも、ほぼ毎日のように不安が続き、頭の中がずっと曇り空のままなら、 それはもう“心配性”ではなく、「不安症」という病気の可能性がある。 ◇女性は男性に比べて2倍 なんとなく不安を抱えやすい 千葉大学大学院医学研究院の清水栄司教授はこう話す。 「不安症は、うつ病と並ぶメンタル不調のひとつで、 過剰な不安が続き、日常生活に支障が出る状態を指します」と。 不安症にはいくつか種類がある。 ・大切な人と離れることが怖い「分離不安症」 ・犬や虫、飛行機、高所など特定のものが怖い「限局性恐怖症」 ・人前で失敗するのが怖い「社交不安症」 そして、特に多いのが、 理由がはっきりしないのに、あらゆることをネガティブに考えてしまう 「全般不


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.686
ドリンク選びで未来が変わる。内臓脂肪と血糖値の新常識⑩ シリーズ最終回 ◇なぜお酒は太りやすい?──肝臓が“脂肪をため込むモード”になるからです Q. お酒を飲むと太りやすいのはどうして? A. 肝臓がアルコール処理で手いっぱいになり、脂肪をため込みやすくなるからです。 お酒で太りやすい理由のひとつは、まず“糖質の多さ”。 ビール、日本酒、缶チューハイなどは意外と糖質がしっかり入っています。 液体だからスイスイ飲めてしまうし、好きな人は次々と飲み続けてしまうので、気づかないうちにかなりの糖質をとってしまうんです、 さらに厄介なのが、肝臓の働きがアルコール処理に集中してしまうこと。 アルコールを分解するのは肝臓の大仕事。 その間、脂肪を燃やす“脂質代謝”がストップしてしまい、処理されなかった脂肪が肝臓にたまりやすくなります。 これが脂肪肝につながる理由で、ダイエット中や脂肪肝の改善で「お酒を控えてください」と言われるのはこのためです。 だからこそ、飲むときはだらだら長時間飲み続けるのではなく、ほどほどに楽しむことが大切。 ...


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.685
ドリンク選びで未来が変わる。内臓脂肪と血糖値の新常識⑨ ◇“飲む点滴”でも太る?──甘酒の甘さに潜む落とし穴 Q. 「飲む点滴」という甘酒は、ダイエットにも効果ある? A. 栄養豊富な一方で、糖分が多いため“飲みすぎると太りやすい”飲み物です。 ここ数年、“飲む点滴”として人気の甘酒。 確かに、アミノ酸やビタミンB群、ミネラルなどがしっかり含まれていて、 疲れたときの栄養補給にはとても優れています。 ただし、甘酒には大きく2種類あります。 ● 麹甘酒(米×麹) 麹菌の酵素が米のでんぷんを分解して、 ブドウ糖やオリゴ糖がたっぷり生まれるタイプ。 そのため、 甘みが強い=糖質が多い 血糖値が上がりやすい 一度にたくさん飲むと太りやすい という特徴があります。 ● 酒粕甘酒(酒粕×砂糖) 酒粕は発酵の過程で糖質がアルコールに変わっているため、 米そのものより糖質は少なめ。 さらに、食物繊維も豊富です。 ただし、 市販の酒粕甘酒は 砂糖がしっかり加えられているものも多い ため、 “ヘルシー”と思って油断すると、こちらも糖質過多になりがち。 ●...









































