

102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.674
「畑の肉」を超える力──発酵が引き出す“大豆の真価⑤ ◇発酵で“大豆の底力”が一気に目を覚ます 大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど、植物性たんぱく質がたっぷり含まれた優秀な食材だ。 それだけでなく、ビタミンB群や食物繊維、さらに健康効果が期待される“機能性成分”まで備えている。 でも実は、大豆の力はここで終わらない。 「発酵」させることで、そのパワーはさらに強くなる。 発酵によって期待できるのは、 • 抗酸化作用のアップ • 栄養素の吸収率アップ • 複数の栄養素の含有量アップ など、まさに“大豆の潜在能力を引き出す魔法”のような効果だ。 このシリーズではこれまで、大豆や発酵大豆食品の栄養価、機能性成分、食べるタイミング、そしておすすめの組み合わせを紹介してきた。 後編となる今回からは、大豆がもたらす健康効果や、食べすぎによるリスクはあるのかといったポイントを、やさしく解説していきます。 ◇大豆で寿命が伸びる?死亡リスクが“60%以上”下がった研究も まず注目したいのは、大豆と「死亡リスク」の関係だ。 大豆製品をよく食べる人は、寿命に深く


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.673
「畑の肉」を超える力──発酵が引き出す“大豆の真価④ ◇🌱 大豆を摂る“ゴールデンタイム”は朝 大豆の健康効果をしっかり引き出すには、「どのタイミングで食べるか」を意識すると、日々の積み重ねがより大きな変化につながる。 とくに注目したいのが “朝” だ。 朝に大豆たんぱく質を摂ることで、腸内細菌の多様性が高まるという報告がある (Nutrients. 2019 Dec 27; 12(1): 87.)。 腸内細菌が元気に働き始める時間帯に大豆を届けることで、腸内環境がより整いやすくなると考えられている。 ■ 朝に大豆をとるメリット • 腸内細菌が活動を始めるタイミングに栄養を届けられる • 腸内環境のバランスが整いやすくなる • その日のリズムが軽やかにスタートする ■ 無理なく続けるための“好きな大豆” 大豆の効果を得るには、毎日の食事に自然に組み込めることが大切。 納豆が苦手なら、香りのやさしい豆腐や豆乳から始めてもいいし、手軽な大豆製品をいくつか試して「これなら続けられる」という一品を見つけるのがコツ。 朝の味噌汁に豆腐を入れる


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.672
「畑の肉」を超える力──発酵が引き出す“大豆の真価③ ◇発酵で大豆が“覚醒”する 大豆はそのままでも優秀な食材だけれど、「発酵」が加わるとまるで能力が開花したようにパワーアップする。 こうじ菌・酵母・納豆菌などの微生物が働くことで、栄養価が一気に高まるのだ。 抗酸化パワーが一段とアップ 発酵中に微生物がつくり出す酵素や代謝物(抗酸化ペプチドなど)が、大豆の抗酸化作用をさらに強くしてくれる。 さらに、イソフラボンの形が発酵によって“体内で働きやすい形”に変わるため、アンチエイジングに関わる抗酸化力がぐっと高まる。 栄養の吸収率がぐんと上がる 大豆にはレクチンやフィチン酸といった「抗栄養素」が含まれており、これらは栄養の吸収を妨げることがある。 しかし発酵の過程で、微生物がこれらを分解してくれるため、栄養素が体に取り込まれやすくなる。 さらに、硬い細胞壁が発酵でほぐれることで、吸収効率はさらにアップ。 発酵は、大豆の栄養を守るだけでなく、「複数の栄養素そのものを増やす」という驚きの効果まで生み出す。 ビタミン B2や葉酸は、微生物が大豆を分解する過程


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.671
「畑の肉」を超える力──発酵が引き出す“大豆の真価② ◇ 「畑の肉」と呼ばれる理由──大豆は植物の中でも特別な存在 大豆の魅力を知ると、自然と食事に取り入れたくなります。 まず注目したいのは、大豆に豊富に含まれる栄養素や機能性成分です。 大豆が「畑の肉」と呼ばれるのは、植物性食品の中でも特にたんぱく質が豊富だからです。 たんぱく質は筋肉や骨、皮膚など身体の材料となり、修復や維持に欠かせない大切な栄養素です。 大豆のたんぱく質は、9種類の必須アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、ヒスチジン)のバランスを評価する「アミノ酸スコア」で満点の100。 これは、大豆が“良質なたんぱく質”とされる大きな理由です。 また、食事の組み立て方を示す「食事バランスガイド」では、肉・魚・卵と同じく大豆料理も主菜に分類されています。 植物性でありながら、動物性食品と同等に評価されていることがわかります。 一方で、必須アミノ酸の消化吸収率まで考慮する新しい指標「DIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)」を


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.670
「畑の肉」を超える力──発酵が引き出す“大豆の真価① 味噌、納豆、醤油──日本人が昔から親しんできた発酵食品の中心には、いつも大豆があります。 大豆はもともと栄養満点ですが、発酵によってその力は“別次元”へ。 微生物が大豆を分解し、新たな健康成分を生み出すことで、身体にうれしい効果がぐっと高まります。 このシリーズでは、大豆が発酵でどう変わるのか、そしてどんな場面で摂るとより健康に役立つのかを、楽しく深掘りしていきます。 ◇広がる大豆ブーム──新商品から国の政策まで動き出す 近年、大豆をめぐる動きはますます活発です。 食品メーカーは従来の食べ方にとどまらず、フジッコの「ダイズライス」や「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」、アサヒコの「豆腐バー」、キッコーマンの「大豆麺」など、新しいスタイルの大豆食品を次々と生み出しています。 さらに、大豆由来の代替ミートを開発する企業も増え、食の選択肢は大きく広がっています。 国も大豆の可能性に注目し、国産大豆の生産拡大を目指しています。「食料・農業・農村基本計画」では、生産量を2023年の26万トンから2030


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.669
目についた論文から紹介です ◇女性は“特定の糖”をとり過ぎると認知症リスクが上昇する可能性:英国17万人データの大規模分析( J Prev Alzheimers Dis. 2025 Nov; 12(9): 100311. ) 英国の大規模研究(UK Biobank 2006年から2010年にかけて英国で37~73歳の50万人以上の参加者からデータを収集し、現在も進行中の大規模なコホート研究。 )に参加した約17万人のデータを分析した結果、特定の種類の糖類を多く摂取している女性では、認知症の発症リスクが高まる可能性が示されました。 糖類の過剰摂取は、心血管疾患や代謝異常、慢性炎症などと関連することが知られていますが、 **「どの種類の糖がリスクと関係するのか」**については、これまで十分に検討されていませんでした。 この研究では、参加者が24時間思い出し法で回答した食事データをもとに、 • 遊離糖(食品に添加された単糖類(ブドウ糖、果糖)と二糖類(ショ糖)および蜂蜜、果汁中に天然 に存在しているもの。 ) • 果糖 • ブ


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.668
老けない人は朝に飲む──コーヒーで若さを守る新習慣⑩ シリーズ最終回 ◇老けないコーヒーは“蒸らし”で決まる。 コーヒーを若々しく楽しむ秘訣は、実はとてもシンプル。 ドリップの最初のひと手間――“蒸らし”が、香りも成分もぐっと引き出してくれます。 ペーパーフィルターで淹れると余分な油分がほどよく落ち、すっきりとした後味に。 体にやさしいコーヒーを目指すなら、まずはこの基本から整えてみましょう。 🌱ステップ1:コーヒーの粉は“ふんわり平ら”に ドリッパーやサーバーは、先にお湯を少し注いで温めておきます。 ペーパーフィルターをセットし、コーヒー粉を入れたら表面をそっと平らに。 お湯は沸騰後に1〜2分置くと、ちょうどよい90〜95℃になります。 ステップ2:少量のお湯で“20〜30秒の蒸らし” 粉全体がしっとりする程度に、少しだけお湯を注ぎます。 ここで20〜30秒の待ち時間。 この短い時間が、コーヒーの旨みをしっかり引き出す大事なポイント。 蒸らしが足りないと、どうしても味が薄くなってしまいます。 🔄ステップ3:中央に小さな円を描くように注ぐ


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.667
老けない人は朝に飲む──コーヒーで若さを守る新習慣⑨ ◇座りっぱなしでも“コーヒー習慣”が守ってくれる?意外な健康効果 「座りっぱなしの生活は体に良くない」と感じている人は多いはずだ。 実際、研究でも、座っている時間が長いほど死亡リスクが高まることが示されている。 ところが、そんな“座りっぱなしリスク”を少し和らげてくれる可能性のある習慣がある。 それがコーヒーだ。 米国の研究では、座位時間が長い人でも、コーヒーを飲む人は飲まない人より死亡リスクが低かったという結果が出ている。 さらに、コーヒーをよく飲む人ほど、座りっぱなしを中断する回数が多いというデータもある。 席を立つきっかけになることも、コーヒーのメリットの一つといえそうだ。 では、なぜコーヒーが“座りっぱなしのリスク”を下げる可能性があるのだろうか。 コーヒーには、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸をはじめ、体の酸化ストレスを抑える成分が多く含まれている。 これらは、血管や代謝に良い影響を与えるとされており、長時間座ることで起こりやすい血流の滞りや代謝低下を、ある程度カバーしてくれ


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.666
老けない人は朝に飲む──コーヒーで若さを守る新習慣⑧ ◇飲むだけで認知症リスクが下がる? コーヒーの力がすごい 最近の研究で、コーヒーを飲む人は認知症のリスクが下がる可能性があることが、はっきりと示されてきました。 日本でも、コーヒーと緑茶の飲み方に注目した研究が続々と発表されています。 新潟大学の研究では、コーヒーと緑茶をどちらもよく飲む人ほど、認知症のリスクが低い傾向が見られました。 ただし、 • 緑茶を1日600mL以上 • コーヒーを1日300mL以上 という“たくさん飲む組み合わせ”では、リスクの大きな低下は見られませんでした (J Nutr Health Aging. 2025 Aug;29(8):100615)。 さらに、国内外の研究をまとめた解析では、 「コーヒーは飲む量が増えるほどリスクが下がるが、飲みすぎると効果が戻ってしまう」 という結果も出ています。 総合すると、 👉 1日3杯くらいのコーヒーが、認知症予防にはちょうど良い“お得ゾーン” と言えそうです。


102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.665
老けない人は朝に飲む──コーヒーで若さを守る新習慣⑦ ◇コーヒーと骨密度:最新研究のポイント カフェインを摂取すると、カルシウムが尿から排泄されるという見方があります。 でも、近年では 「コーヒーを飲むと骨密度が上がる」と断言するのはまだ早いですが、最近の研究では「骨密度に悪いとは限らない」「むしろ適量ならプラスの可能性もある」という興味深い結果も出てきています。 1. 高カフェインは骨密度を下げる可能性がある Verywell Health のまとめによると、 1日800mg(コーヒー約8杯)レベルの大量カフェインはカルシウム排泄を増やし、骨密度低下のリスクを高めるとされています。 • 400mg(コーヒー約4杯)以下なら大きな問題はないとされる。 2. 遺伝学的研究では「コーヒーは骨密度にプラスかも」 2024年のメンデルランダム化研究では、 コーヒー摂取が全身骨密度(BMD)と正の関連を示したという結果が出ています。 • 特に 30〜60歳の層でプラスの関連 • かかと(heel)の骨密度でも有意なプラス効果...









































