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102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.642

  • 執筆者の写真: 竹内久米司
    竹内久米司
  • 8月2日
  • 読了時間: 5分

カフェインは水分補給になる?最新の熱中症対策について


熱中症は体内から水分が失われる「脱水症」から始まることはご存じの通り。カギは水分補給ですが、その大切さは分かっていても、脱水を起こし、熱中症になる人は後を絶ちません。

会員からも質問がありましたので今回は効果的な水分補給の方法やその他の熱中症対策についての正しい知識、最新の情報をを紹介します。


まず、下記のチェックリストをご覧ください。


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1つでも該当すれば脱水症・熱中症になるリスクがありますよ。

その理由を1つずつ解説していきます。


◇リスク1 いつも寝不足気味だ

自律神経の乱れが熱中症リスクを高めます。睡眠不足・空腹・疲労は自律神経のバランスを崩し、体温調節機能を低下させます。汗が出にくい、止まらない・・そんな異常が熱中症を引き起こす要因に。

夏は質の高い睡眠と適切な環境調整で、体の恒常性を守ることが重要です。


◇リスク2 食間に水分を補給していない

「夏はこまめな水分補給を」といわれるが、適切な水分補給のタイミングと量は意外と知られていません。推奨されているのが「6オンス8回法」。1オンス=約30mL、ですから6オンスは約180mL、コップに軽く1杯分の量。1回約180mLの水分を、1日8回補給するということです。


 そこで、朝・昼・晩の食事の際に水分補給するだけでなく、それぞれの食事の間にも水分をとることが大切です。


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お勧めのタイミングは、起床後、1日3回の食事時、食事と食事の間、お風呂に入る前、寝る前の計8回。一気に飲むのではなく、点滴のように少しずつ飲むことが大切です。「脳に気づかれないよう、少しずつ飲むのがコツです」よ。


私も心掛けていますが高齢の方で夜間頻尿を気にして寝る前の水分を控えがち、しかし全く飲まないのは危険です。寝る前の水分補給は100mL程度にとどめ、カフェインの含まれていない常温か、やや温かい飲み物を5分ほどかけて飲みましょう。可能なら夜中に目が覚めたときにも再度水分補給を。


とはいえ、老若男女が等しく1回180mLの水分が必要というわけではありません。1日に必要な水分量は体重によって異なります。少し専門的になりますが、その量は「4-2-1ルール」と呼ばれる計算式で求められます。

あなたに必要な1日の水分量が求められますよ。


1.4-2-1ルール                                      1.自分の体重を、10kg(A)、10kg(B)、残りの体重(C)と3分割。              2.A×4+B×2+C×1=1時間に必要な水分量(基礎必要水分量)となる。


例)体重60kgの人の場合 体重を10kg、10kg、40kgに分割し、それぞれに4-2-1を掛け合わせる。10×4、10×2、40×1。これらを足すと40+20+40=100mL。


これが1時間に必要な水分量(基礎必要水分量)。24時間に変換すると、100mL×24時間で2400mLが1日の基礎必要水分量となります。

でも、何もこの量を全部飲み物からとる必要はありません。

通常食事から1日の基礎必要水分量の半分量を摂取しています。

ですから1200mLを1日8回に分けて飲み物で補給すればよいのです。

なお、汗をかく運動を1時間程度したら、500〜1000mLほどプラスして水分をとりましょう。いずれもナトリウムやカリウムなどの電解質を含むものがお勧めです。大量に発汗したときに、1時間で1L以上の水を飲むと、血中のナトリウム濃度が著しく低下する「水中毒」になるので注意が必要です。


体液が薄まらないよう、スポーツドリンクにするのがよいでしょう。なお、スポーツドリンクを日常的に飲むと糖分のとり過ぎになるため、日常の水分補給は水やお茶が好ましいです。


また、カフェイン飲料は?の質問をいただきましたが、一般に水分補給には向かないという誤解もあるようですが、日常的な水分補給としてカフェイン飲料を飲むのは問題ないですよ。


普段からカフェインを飲み慣れている人は利尿作用が出にくいからです。

コーヒーやお茶など好きな飲み物で、無理なく水分補給を行うことが大切です。私もそうしています。


◇リスク3 毎日お酒を飲む習慣がある                          夏は暑気払いの飲み会、お盆、ビアガーデン、バーベキュー、ゴルフ場とお酒を飲むシーンが多く、キンキンに冷えたビールをグイッと飲みたい人もたくさんいると思います。

だが、お酒を飲んで水分補給とはならないので注意してください。

アルコールは強い利尿作用があり、飲んだ以上に水分が失われるうえ、分解にも水分を消費するからです。しかもカフェイン飲料と違ってこの作用には耐性がつきません。

ですから特に就寝前の飲酒は脱水リスク大です。水を併飲し、冷やしトマトやたたきキュウリなど電解質を含むおつまみを取り入れるのが効果的です。


◇リスク4 朝食を抜くことが多い                            脱水を防ぐ水分補給は、食事が基本です。食事を抜いている時点で、体は脱水状態と言えます。

1食で約300〜500mLの水分+100mLの代謝水が得られるため、食事は水分補給の重要な一部です。

特に朝食を抜くと、12時間以上水分摂取が途絶え、脱水リスクが上昇。朝食を抜いた日は、通常より500mL多く、電解質を含む飲料で補うのが望ましいです。


夏野菜や果物は90%以上が水分で、ビタミンやミネラルも豊富。

特にキウイは、熱中症対策に重要なビタミンCを多く含み、暑さへの順応や免疫力アップに効果的。

ビタミンCは体外に排出されやすいため、こまめな摂取がカギです。 

水分補給とともに大事なのは、エアコンを使って体温を適切にコントロールすることです。

暑さを感じにくい高齢者ほど注意が必要です。エアコンは体表だけでなく、冷気を吸うことで体内からも体温を下げます。寒さが気になるなら長袖を着てでも、室温管理を優先すべき。節電より命を守る冷房を!。


リスク5 エアコンの効いた部屋にいつもいて、あまり汗をかかない

リスク6 運動習慣がない

エアコンに頼りすぎると暑熱順化ができず、汗をかく力が低下します。  

 1日2〜3回は軽い運動や入浴、辛い食事などで意識的に汗をかく習慣を。

 さらに、筋肉は水分を蓄える“貯水タンク”。              

 運動で筋肉量を維持することが、脱水予防にもつながります。

 
 
 

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