top of page

102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.636

  • 執筆者の写真: 竹内久米司
    竹内久米司
  • 6月20日
  • 読了時間: 5分

◇楽しく学ぶ!きのこの保存&調理クイズ


【問題】きのこは免疫力アップや、中性脂肪やコレステロール値の改善、血圧を下げるなど幅広い健康効果が期待できます。そんなきのこの栄養素を逃さない保存・調理方法として、正しいものは以下のどれでしょう?


(1)調理前に洗う

(2)冷凍保存する

(3)室内干しをする

(4)長時間、加熱をする

【解説】

きのこの細胞壁はしっかりしているので、保存の際にこの壁を壊す工夫が重要になります。

きのこを買ったら、そのままパックや袋に入れたまま野菜室へ——そんな保存方法をしている人は多いはず。でも、「きのこ博士」として知られる東京農業大学学長・江口文陽氏によると、それはベストな方法とは言えないんですと。


鮮度を長持ちさせたいなら、あるいは食べきれないほどの量を買ったなら、江口氏がすすめるのは「切って冷凍保存」すること。

切ったり冷凍したりすると、細胞壁が壊れると聞くと、「それってよくないんじゃ?」と思うかもしれません。でも実は、壊れることが良いことなんです。その理由は、きのこの細胞壁にあります。


きのこの細胞壁には「キチン」という多糖類が含まれています。これはカニやエビなどの甲殻類の殻にも含まれる成分で、とても強固な構造を持っているんです。

つまり、きのこの細胞壁はかなり硬いということ。細胞壁が硬いということは、その中にある栄養素が吸収されにくいということでもあります。だからこそ、細胞壁を壊したほうが、栄養の吸収がスムーズになるんです!


冷凍保存は、ただ単に長持ちさせるためだけじゃなく、きのこの旨味や栄養を最大限に引き出すための秘策なんですね!次回きのこを買ったときは、ぜひ試してみてください。


生のまま保存すると、きのこの中で酵素が働き始め、自らを分解してしまう「自己消化(オートリーゼ)」が起こることがあります。

その結果、食感や風味が変わるだけでなく、きのこに含まれる健康成分も減少してしまうのです。

たとえば、コレステロール値の改善効果が期待される「エリタデニン」という成分も、生のままだと時間とともに減ってしまうことが知られています。


江口文陽先生は、「きのこは料理に合わせて食べやすい大きさに切り、密閉できる保存袋に入れて空気を抜いて冷凍すると、栄養成分を維持したまま保存できる」と話します。


また、きのこは傷みやすいため、できるだけ早めに冷凍するのがベストとのこと。

冷凍することで細胞壁が壊れ、旨味が増すだけでなく、栄養もより効率よく吸収できるようになります。

この保存方法なら、きのこを無駄なく美味しく、健康的に楽しめますね。次回のきのこ購入時には、ぜひ試してみてください!


シイタケを干すとビタミンDの量がぐんと増えることで知られていますが、さらに効果を高めるためには直射日光に当てて干すことがポイントになります。





シイタケに含まれる「エルゴステロール」という成分が、紫外線を浴びることでビタミンDへと変化するのですが、室内干しでは紫外線が足りず、十分な変化が起こらないことがあります。そのため、しっかりと日光の下で干すのが大切なんですね。


さらに、カットして裏側(ヒダの部分)を上に向けて干すと、より多くの紫外線を浴びることができ、効率よくビタミンDが増えると言われています。天日干しなら、栄養価もグッとアップするので、ぜひ試してみたいですね!


最近の住宅の窓ガラスにはUVカット機能があることが多いため、室内の窓際にシイタケを置いて干しても、ビタミンD量がほとんど増えないという実験結果が出ています。

一方で、古い建物の窓際で干した場合、ビタミンD量は約6倍にも増えたとのこと。つまり、せっかく干しても、紫外線が足りなければ効果が期待できないというわけですね。


シイタケを干すことでビタミンD量が増えるのは、「エルゴステロール」というビタミンDの前駆体が紫外線を浴びることでビタミンDへと変化するためです。

しかし、すべてのきのこにエルゴステロールが含まれているわけではありません。

例えば、江口氏によるとシイタケ以外のきのこには、紫外線でビタミンDに変化する前駆物質が含まれていないため、干すならシイタケを選ぶのがベストなのです。


最大限にビタミンD量を増やすなら、屋外の日当たりの良い場所で干すのがポイントですね!


次回シイタケを干すときは、ぜひ晴れた日の屋外を試してみてください。

こうしたちょっとした工夫で栄養価がグッと高まるのが面白いですね。


きのこは洗うか洗わないか、意見が分かれるところですが、「きのこ博士」こと江口文陽氏によると、洗わないほうがいいとのこと。その理由は、きのこに含まれる水溶性の栄養素が水で洗うことで流れ出てしまうためです。スーパーで売られているきのこの多くは、菌床栽培で土に触れることなく育てられ、衛生管理も徹底されています。そのため、洗う必要はほぼないんですね。


ただ、石づき部分に木片やおがくずが付いていることがあるので、気になる場合は、調理前に切り落とすか、ぬれた布巾で軽く拭くのがベスト。水洗いよりも栄養素の流出を防げます。


さらに、きのこは基本的に加熱して食べることが推奨されていますが、ここでの**ポイントは「軽く加熱」**すること。加熱しすぎると、栄養素が壊れたり失われたりする可能性があります。また、電子レンジや熱湯で急速に加熱すると、細胞表面のたんぱく質が凝固し、旨味や機能性成分が十分に引き出せなくなるとも言われています。


江口氏によると、さっと軽く火を通す、または低温でじっくり加熱するのが理想的。調理の最後のほうできのこを投入し、食材全体に火が通ったら加熱を終えるようにすると、栄養や旨味を最大限に活かせます。


きのこの美味しさを引き出すための、ちょっとした工夫ですね!


【正解】

正解は(2)冷凍保存する です。

 
 
 

Commenti


特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square

Contact

GROWTH健康づくり協会

​代表 薬学博士 竹内 久米司

  • White Facebook Icon

© 2016 by GROWTH健康づくり協会

bottom of page