102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.635
- 竹内久米司
- 6月13日
- 読了時間: 4分
◇クイズで学ぶ老年期うつ病の真実! あなたの知識が試される!
【問題】
「老年期うつ病」に関する内容として、以下のうち間違っているものはどれでしょう。
•(1)「老年期うつ病」は、概して65歳以上の人がかかるうつ病のことをいう
•(2)「老年期うつ病」の原因には、ストレスが大きく関与している
•(3)気分障害(うつ病など)の年齢別患者数割合は、65歳以上が最も多い
•(4)高齢者の中で「生きがいを十分に感じている人」の割合は増えている
【解説】
日本は世界一の長寿国として知られています。しかし、厚生労働省の調査によると、男性の平均寿命は81.05歳、女性は87.09歳であるのに対し、「健康寿命」(日常生活が制限されることなく過ごせる期間)は男性72.57歳、女性75.45歳と、平均寿命よりも大幅に短いことがわかっています。
つまり、多くの人が70代以降、何らかの健康問題を抱えながら約10年の余生を送ることになります。
このような状況の中で、どうしても「体の健康」ばかりに目が向きがちですが、本当に元気で充実した人生を送るためには「心の健康」にも目を向ける必要があります。
特にシニア層にとっては、「老年期うつ病」が重要な課題となります。
加齢とともに、退職や家族との関係の変化、友人との別れなど、さまざまな生活環境の変化がストレスとなり、気づかぬうちに気持ちが沈み込んでしまうことがあります。
老年期うつ病は、単なる「年齢のせい」や「性格の問題」と片付けられがちですが、適切なケアと理解によって予防や改善が可能です。
自分や周囲の人が心の健康を保つために何ができるのかを知り、人生の後半をより充実したものにするためにも、協会が提唱する脳科学的栄養学で「成幸脳」をつくってまいりましょう。
老年期うつ病は、65歳以上の人がかかるうつ病で、「生きがいを感じられない」「漠然とした不安」といった症状が特徴です。この状態を放置すると、ひきこもりがちになり、社会とのつながりを失い、運動機能が低下(ロコモティブシンドローム)—最終的には認知症や寝たきりへとつながる悪循環の危険も。
心の健康を守ることが、人生の質を大きく左右するカギになります!
高齢者が「生きがいを十分に感じている」と答える割合が、過去10年間で大きく減少しています。
内閣府の調査(2021年)によると、60歳以上の男女のうち「十分に生きがいを感じている」と答えたのは23.1%にとどまりました。これは2013年の38.5%から約15ポイントの大幅減少を示しています。

また、「多少感じている」と答えた人の割合は50.1%ですが、理想は「十分感じている」状態です。
つまり、多くの高齢者が何らかの理由で生きがいを十分に見いだせていない可能性があります。
これが続くと、精神的な充実感が低下し、老年期うつ病のリスクを高める要因にもなりかねません。
この現状を改善し、より多くの高齢者が生きがいを持てる社会をつくることが、これからの重要な課題となります。どうすれば高齢者が充実感を感じながら人生を楽しめるのか—これを真剣に考え、具体的な対策を講じる必要があります。
厚生労働省の調査結果(2017年、以下グラフ)によると、気分障害(うつ病、双極性障害など)の年齢別患者割合は、65歳以上が最も多く31.7%。この数字を見ても、高齢者のメンタルケアが欠かせないことが分かります。

ストレスは気分障害の大きな原因。強いストレスが続くと、免疫力が低下し、心身の健康が蝕まれていきます。高齢者にとっては、人生の不安や孤独が積み重なり、気づかぬうちに気持ちが沈み込みがち。しかし、これを放置すると、老年期うつ病へとつながる危険があります。だからこそ、ストレスを軽減する考え方や行動、適切な対処法が、人生を豊かにする鍵となるのです!
【正解】
正解(間違っているもの)は(4)高齢者の中で「生きがいを十分に感じている人」の割合は増えている です。
脳科学的栄養学の目的である誰もが幸せに生きる「成幸脳」をつくることの意義を再認識されましたか。
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