102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.702
その“諦めのひと言”が脳を老けさせる──80代でも若い脳を保つ人の共通点①
◇若い脳を維持するスーパーエイジャー研究で分かったこと
「年だから仕方ない」──この言葉を封印した瞬間から、脳は再び若さを取り戻し始める。 世界で進む“スーパーエイジャー(Super Agers)研究”は、その事実を科学的に裏付けている。
スーパーエイジャーとは、80歳を超えてなお、20~30歳若い人と同等の記憶力を保ち続ける特別な高齢者のことだ。
2023年、スペイン・マドリード工科大学が発表した追跡研究は、スーパーエイジャー64名(平均81.9歳)と一般的な認知機能の高齢者55名(平均82.4歳)を最大6年間観察した大規模なものだった。
脳画像、生活習慣、血中バイオマーカーなど多角的なデータを解析した結果、スーパーエイジャーには明確な特徴があった。
同年代の高齢者と比べて、脳の容積の減少が著しく少ない。
特に、記憶を司る「内側側頭葉」の灰白質が大きく、萎縮の進行が緩やかだったのである。
内側側頭葉には記憶の中枢である海馬が存在し、そのさらに内側には海馬と情報をやり取りする「嗅内野」がある。
この嗅内野は記憶形成に極めて重要な領域だ。

米国ノースウェスタン大学の研究は、スーパーエイジャーの脳を死後に詳細に分析し、驚くべき事実を明らかにした。
嗅内野のニューロンが、20~30歳若い人よりも大きく、萎縮していなかったのである。
老化の象徴と思われがちな脳細胞が、挑戦を続ける人生の中で“若さを保ち続けていた”という事実は、脳科学に新たな希望をもたらした。
さらに、スーパーエイジャーは運動速度が速く、精神的健康度が高いという共通点も持っていた。
「高齢になっても認知機能が保たれている人には何が起こっているのか」を長期間追ったこの研究は、脳の若さが偶然ではなく、日々の行動と心の在り方によって育まれることを示している。
年齢を理由に挑戦を避けるのか。 それとも、年齢を理由にしない生き方を選ぶのか。
その選択が、脳の未来を大きく左右する──スーパーエイジャー研究は、そう語りかけている。










































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