102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.704
その“諦めのひと言”が脳を老けさせる──80代でも若い脳を保つ人の共通点③
◇“次はこうしよう”が脳を救う──うっかりミスは前頭前野への“リハーサル”で減らせる
加齢とともに増えてくる「うっかりミス」。料理中にコンロの火をつけたまま鍋を焦がしてしまう、洗濯物を取り込んでいるうちに別の作業に気を取られ、元の作業を忘れてしまう──こうした現象は、記憶を司る脳領域の萎縮が原因なのだろうか。
脳科学の視点で見ると、これらのミスの中心にあるのは前頭前野のワーキングメモリ(作業記憶)だ。ワーキングメモリとは、何かをアウトプットするために必要な情報を一時的に保持し、組み合わせたり加工したりする脳の機能である。この力が弱まると、会話の中で「あれ」「それ」が増えたり、同時進行の作業のどれかを忘れてしまったりする。前頭前野は加齢とともに機能が低下しやすく、うっかりミスの増加はその影響を受けている。

しかし、希望はある。
「うっかりやってしまった!」という経験をした直後に、“次はこうしよう”と具体的な手順をイメージすることで、脳の神経接続を強化し、ミスを減らすことができるのだ。これは、脳に新しい回路をつくる“リハーサル”のようなものだ。
例えば、鍋を焦がしてしまったとする。鍋を火にかけたあと、洗濯物を取り込み、メールチェックをしているうちに鍋の存在を忘れてしまった──そんなときこそ改善のチャンスだ。
「鍋 忘れない」とメモをして目につく場所に置く。 キッチンタイマーをセットする。 洗濯物を取り込んだら必ず台所に戻り、鍋のふたを開けて確認する。

こうした具体的な動作を、ありありと脳内でイメージする。その瞬間、前頭前野のワーキングメモリが働き、「次はこうしよう」という新しい手順が脳内に刻まれる。
これが繰り返されることで、実際のエラーが減っていく。
うっかりミスは、年齢のせいだけではない。 ミスをした直後の“リハーサル”が、脳の未来を変えていく。










































コメント