くめちゃんのつぶやき脳No.250 ◇必須不飽和脂肪酸のEPAやDHAを賢く摂って脳を元気に
健康維持に欠かせない成分として知られているDHAやEPAは、青魚に多く含まれています。
では、
DHA・EPAをより多く含んでいるのは、次のどちらでしょうか?
・初ガツオ(春獲り)
・戻りガツオ(秋獲れ)
実は季節によって不飽和脂肪酸の含有量は変わるのです。
春から初夏にかけて獲れる初ガツオに含まれるDHAは120mg、EPAは39mg(生・可食部100gあたりの成分量)。一方、秋に出回り、脂がのっている戻りガツオにはDHAが970mg、EPAは400mgも含まれています※。なんと、DHAでは約8倍、EPAでは約10倍の差があることが分かりますね。
※出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
◇青魚のDHAやEPAの働き
カツオやマグロ、イワシといった青魚には、DHAやEPAが多く含まれています。それぞれの含有量は、魚の種類や部位(赤身・脂身・内臓など)、大きさによって異なります。
DHAの働き 仕事や勉強を頑張りたい方から、生活習慣が気になる方まで、摂取への期待が広がっています。考える・覚える力の維持や健康維持に重要な働きをします。
EPAの働き めぐりを維持する働きが大きな特徴。将来の健康が不安な多くの方に、注目されています。
実は、EPAやDHAはほとんど体では作られないのです。
DHAやEPAは、共に「脂質」と呼ばれる栄養素のひとつ。
脂質は、その主成分である脂肪酸の違いによって、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。飽和脂肪酸は動物の肉や乳製品などに多く含まれ、常温で固まりやすいという性質があります。
もう一方の不飽和脂肪酸は常温では固まらず、液体(サラサラの状態)になっています。
この不飽和脂肪酸のうち、体内でほとんどつくられないため、食べ物によって補わなければならないのが「必須脂肪酸」です。
現代の食生活では魚を食べる機会が減っており、健康維持のためにもDHAやEPAは積極的に摂りたい成分です。
また、必須脂肪酸の一種であるα-リノレン酸はアマニ油やエゴマ油(しそ油)などに豊富に含まれ、その一部が体内でDHAやEPAに変換されます。
さて、
DHAやEPAを効率よく摂るためにはどうしたらよいでしょうか?
例えば、サンマを網で焼くと、脂がポタポタと滴り落ちますね。実は、あの脂こそがDHAやEPAです。
サンマに限らず、サラサラ成分のDHA・EPAは焼く・煮るといった調理の際に流れ出やすいのが特徴。魚を焼くときはフライパンを使って脂を落とさないようにしたり、煮物の場合は煮汁も一緒に食べたりするとよいでしょう。
ホイル蒸しなどにするのも、ひとつの方法です。ただし、煮汁やタレ、調味料に含まれる塩分の摂り過ぎにはご注意ください。
DHA・EPAの摂取という点では、刺身など生で食べるのが効率のよい食べ方ですが、毎日のように刺身が続くと飽きてしまうことも。
切り身をオリーブオイルや黒酢に漬けたり、レモン汁やゴマダレをかけたりして洋風・中華風にアレンジすると、食もすすみそうです。
不足しがちなn-3系(オメガ3)脂肪酸を上手にとりましょう。
タンパク質、糖質に並ぶ三大栄養素のひとつである脂質は、細胞膜やホルモンなどの構成成分で、全身に存在しています。
また、エネルギー源としても大切な役割を果たしています。
このように重要な成分である脂質ですが、大切なのは摂取のバランス。栄養学などの面からさまざまな研究が続けられていますが、現代の日本人の場合、n-3系(オメガ3)脂肪酸の一種であるDHA・EPAの摂取不足が指摘されています。
また、n-3系脂肪酸は熱に弱く、酸化しやすい=栄養が損なわれやすいという弱点があります。魚食の減少、調理の難しさといった問題はありますが、DHA・EPAを十分に摂ることは健康維持のうえでも非常に大切です。
日頃の食生活を、いま一度見直してみましょう。