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102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.621

あなたの人生が変わる新栄養素講義

「シニアの健康を守る!魚の力で元気な毎日を」

赤身魚と白身魚の栄養価の違いはあるの?①


日本人の魚介類の摂取量はピークだった2001年度に比して減少傾向が続いています。

22年度には4割減となってしまいました。

しかし、魚を食べないのは栄養価や健康効果から考えても「もったいない」の一言に尽きます。


魚に豊富に含まれているエイコサペンタエン酸(EPA)・ドコサヘキサエン酸(DHA)はもちろん、魚のたんぱく質にも機能性があることが分かってきています。

今回からは、魚の主な種類の栄養価や魚のたんぱく質の特徴や、魚の機能性について取り上げ解説していきます。


◇減少傾向が続く日本人の魚介類摂取量


まずは、グラフをを見てください。


近年、中国やインドネシアなどの新興国を中心に、世界で魚の需要が拡大しています。また、世界では、過去半世紀で魚介類の消費量が約2倍に増えているのです。なのに、日本では2001年度をピークに、年々魚介類は食べられなくなってきています

なぜこうしたことが起こっているのでしょうか。





その背景には、ここ数年の価格高騰と消費者の生活の変化の両面が考えられます。

一つは、世界の様々な国・地域で魚を食べるようになったことで魚の国際相場が上昇してしまっています。


さらに、乱獲や温暖化により、今まで捕れていた魚が減少したことも大きく影響していると考えられます。国内での販売価格が高騰している現在、魚を買うのをためらう人も多いのではないでしょうか。


 もう一つの背景は、日本では魚の需要そのものが減っていることが起因しています。

さばいたり、小骨を処理したりする魚は調理に手間がかかると考える人が多く、特に若い世代ではその傾向が強いと感じます。


共働きが主流になった今、手間がかからず、ボリューム感のある肉の人気が高まっています。

さらに価格も魚より安いとなれば、肉に軍配が上がるのは理解できるところでもあります。


魚の機能性に詳しい関西大学化学生命工学部生命・生物工学科食品栄養化学研究室の福永健治教授は「10年ほど前までは、加齢とともに魚を食べる人が増え、50~70代は魚の消費量が多いという傾向がありました。ですが、今はその傾向が見られなくなってきています。単独世帯の増加や物価の高騰により魚を買えなくなっていることが影響していると考えられます」と語っています。



しかし、魚を食べないという選択は、脳科学的栄養学の面から考えて果たしてよいのだろうか。

 栄養学の点から考えればシニア世代に限らず若い世代にとっても、魚を食べないのは実にもったいないということに尽きます。


魚には、肉には少ないとされる栄養素が含まれています。また、消化性も高い利点がります。

“低栄養にならないためにたくさん食べたいけれど、食が細くてなかなか食べられない”というシニアにとって実はぴったりの食材といえるなのです。





次回から、魚の身や栄養にはどんな特徴があるのか、まずは魚の種類による違いから解説していく予定です。


 

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​代表 薬学博士 竹内 久米司

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