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102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.627

  • 執筆者の写真: 竹内久米司
    竹内久米司
  • 4月18日
  • 読了時間: 3分

あなたの人生が変わる新栄養素講義

「シニアの健康を守る!魚の力で元気な毎日を」

脳と心臓を救う!EPA・DHAの秘密と魚の健康パワー


◇魚のたんぱく質が血中コレステロールを下げる


魚に豊富に含まれるオメガ-3系脂肪酸のEPAやDHAの健康効果についてこれまで紹介してきました。魚の健康効果が改めて感じられたのではないでしょうか。

 さらに、不飽和脂肪酸だけではなく、魚のたんぱく質にも期待される健康効果も明らかになってきました。

それは、「血中総コレステロールの低下」効果で、アラスカスケトウダラのたんぱく質とコレステロールの関係を見た研究から明らかになってきました。

コレステロールが高い状態が続くと、心臓病や高血圧、糖尿病、脂肪肝などの病気を引き起こす可能性があります。魚を食べるとコレステロールが下がることが知られていますが、それはEPAやDHAの働きではなく、魚のたんぱく質がコレステロールを体外に排出したり、胆汁酸に変えるのを助けるためです。

ただし、EPAやDHAには中性脂肪を減らす効果があるので、間接的に悪玉コレステロールを増やさないことにはつながりますが、直接コレステロールを下げる力はありません。


ここで、魚のコレステロール低減作用のメカニズムについて触れておきます。

コレステロールには、体内で作られるものと、食べ物から摂取するものがあります。

体内で作られるコレステロールは、主に肝臓で合成され、全身に運ばれたり、胆汁酸に変わって小腸に分泌されたりします。

この胆汁酸は脂肪を消化・吸収するのを助けますが、その多くは再び体に吸収され、肝臓に戻るという仕組みがあります(腸肝循環)。


食事で摂るコレステロールは、普通は胆汁酸によって吸収されやすくなります。しかし、魚と一緒に摂取すると、魚のたんぱく質がコレステロールを吸収しにくい状態にするため、一部が体外に排出されます。また、魚のたんぱく質の一部は胆汁酸と結びついて、胆汁酸の再吸収を防ぎます。

このため肝臓は新しい胆汁酸を作る際にコレステロールを利用するので、結果として血中コレステロールが減ると考えられています。


さて、EPA・DHAによる中性脂肪の低減効果や、魚のたんぱく質によるコレステロールの低減効果は、おおむね魚全般にあります

では、かまぼこや魚肉ソーセージなどの加工食品ではどうなのでしょうか?気になるので調べてみました。

その結果、ある程度は期待できることが分かりました。

ただし、例えばEPAやDHAは後から添加していない限り、製造工程で流れ出てしまうと思われます。

ですから、加工品からEPAやDHAを取りたい場合は、EPAやDHAが含まれるとうたっている商品を選ぶ必要があります。

一方で、魚のたんぱく質によって期待される総コレステロールの低下は、EPAやDHAの添加の有無にかかわらず、期待できると考えられます。

中性脂肪とコレステロールを同時に低下させる効果は、加工していない、脂質の多い魚のほうが期待できます。なお、コレステロールに限れば、かまぼこや魚肉ソーセージでも同じです。

ただ、魚肉ソーセージは味を調えるためラードやヘット(牛脂)を混合していることには、注意してください。


 また、かまぼこはゆでたまごやサラダチキンなどよりも消化しやすいという研究結果もあります(アクアネット. 2022: 25; 27-32.)。





かまぼこは独特の弾力があり、ぷにぷにとしていて消化に悪そうだと思っている人もいるかもしれないが、それは誤解です。


食べやすい大きさに切って食べれば、高齢者にとっても安心して摂取できるたんぱく源といえます。

 
 
 

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