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102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.626

  • 執筆者の写真: 竹内久米司
    竹内久米司
  • 4月11日
  • 読了時間: 3分

あなたの人生が変わる新栄養素講義

「シニアの健康を守る!魚の力で元気な毎日を」

脳と心臓を救う!EPA・DHAの秘密と魚の健康パワー


◇EPA・DHAはどのように中性脂肪の低減に関わっているのか


少々、専門的な話になりますが、EPAとDHAはPPARα( PPARαは、ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体-αの略称で、脂肪酸の分解や利用を促進し、脂質代謝を調節する転写因子で、主に肝臓や筋肉で働きます。脂肪代謝や生活習慣病の研究や治療に役立っています。 )という脂質代謝に関わるスイッチをオンにして脂肪分解酵素の生成を促し、脂肪分解を促進すると考えられています。


一方で、脂肪合成を活性化するSREBP-1c( ステロール調節エレメント結合タンパク質1Cの略で、脂肪酸や中性脂肪の合成を調節する重要な転写因子)というスイッチをオフにして、脂肪合成を阻害します。


そのため、血液中の中性脂肪が低下すると考えられています。


 消費者庁が委託した「食品の機能性評価モデル事業」の結果においても、EPA・DHAの「中性脂肪低下作用」は、「機能性について明確で十分な根拠がある」とする最高ランクのA評価となっているのです。


同様にランクA評価になっているAEPAやDHAの働きとしては、心臓病のリスクを減らす効果が期待されています。


1日に250mg以上の摂取で、突然死のリスクが約35%減り、心臓発作や狭心症のリスクも約17%低下することが、いくつかの研究からわかっています( British Journal of Nutrition. 2011; 106(8): 1129-1141. )。


つまり、簡単に言うと、適量のEPA・DHA摂取が心臓を守る助けになる、ということですね。


EPAやDHAが心血管疾患のリスクを減らす理由の一つは、中性脂肪を減らす効果があるためです。

中性脂肪が増えると、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増えて動脈硬化を引き起こします。


これにより血管が狭く硬くなり、血栓ができやすくなって心血管疾患につながる可能性があります。

そのため、EPAやDHAは血管の健康を保つ助けになると考えられています。


EPAが赤血球の膜に多く含まれると、赤血球が柔らかくなり、形を変えやすくなるため、狭い血管でも通りやすくなり、詰まりにくくなります。





また、EPAやDHAは炎症を引き起こしたり血栓を作りやすくする物質の生成を抑えます。

その代わり、炎症や血栓の影響が弱い物質が作られるため、体の炎症を抑えたり血栓の予防に役立つと考えられています。


 分かりやすくまとめると、EPAやDHAは血管を守る重要な役割を果たしているということです。


さらに、EPAやDHAは、関節リウマチの症状を軽減する効果が期待されています。

研究によると、痛みや関節のこわばり、症状が現れる関節の数を減らし、薬の使用量を減らす可能性があります( Pain. 2007 May; 129(1-2): 210-223. )。


さらに、EPAやDHAは体内で代謝されると、強力な抗炎症作用を持つ「レゾルビン」と「プロテクチン」という物質を生成します。


また、炎症や血栓を促す物質の影響を抑える働きもあり、結果として炎症を和らげる助けになると考えられています。


簡単にまとめると、EPAとDHAは関節リウマチの改善に役立つ可能性がある重要な栄養素ということになります。

 
 
 

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