睡眠不足が肥満をもたらす機序があきらかにされました!
これまで、慢性的な睡眠不足が肥満をもたらすことが知られていましたが、
どのような関係があるのか、その詳細な機序は明らかにされていませんでした。
今回、早稲田大学スポーツ科学未来研究所の内田直氏らと、花王株式会社ヘルスケア食品研究所との共同研究でその関係性が明らかにされました。
報告によれば、睡眠時間を大幅に制限すると、食欲抑制ホルモンが減少し、空腹感が高まることで食欲が増強し、その結果、肥満リスクが増加するとのことです。
しかも、睡眠時間を制限しても1日のエネルギー消費量には変化はみられず、カロリー摂取量が増えることで体重増加リスクが高まるのだと結論です。
実験対象は、平均年齢23歳の健康な男性9人で決められた食事で行われました。
結果
睡眠時間を7時間から半分に制限すると、夜間のエネルギー消費量が増加した。
しかし、1日のエネルギー消費量には変化はみられなかった。
また、睡眠時間を制限すると、食欲抑制作用をもつホルモン(ペプチドホルモン)の分泌が有意に低下。
また、被験者の空腹感が増すなど、食欲に影響を及ぼすことも明らかになった。
さらに、睡眠時間を減らすと直腸の深部体温が有意に低下し、体温の日内リズムにも影響していることも明らかにした。
原著論文はこちら☟
Hibi M, et al. Sci Rep. 2017 Jan 10. [Epub ahead of print]