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くめちゃんのつぶやき脳No.421

102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座

◇生活習慣を改善してもLDLコレステロールが下がらない人は


前回解説しましたが、同じ血液中のあぶらでも、中性脂肪が高い場合とコレステロールが高い場合では対策が異なります。

中性脂肪はガソリンのような「燃料」なのに対し、コレステロールは細胞膜、ホルモン、胆汁酸などの「材料」だからです。


 中性脂肪は筋肉を動かす燃料、だから運動すれば消費されます。

しかしコレステロールは細胞の材料なので運動しても消費されません

したがって、LDLコレステロールは運動だけではなかなか下がらないのです。


コレステロールが体外に出ていくルートは胆汁酸になって腸から出ていくくらいしかなく、どうしてもたまりやすくなっています。

そのため、LDLコレステロールを下げるには食事からコレステロールや飽和脂肪酸をとり過ぎないように注意することが最優先になります。


ところでHDLコレステロールが低いタイプの脂質異常症には運動が有効です。

なぜなら運動すると中性脂肪が減るからです。


 実は、HDLコレステロールと中性脂肪はシーソーのような関係にあり、中性脂肪が増えればHDLコレステロールは減り、中性脂肪が減ればHDLコレステロールが増えるという関係にあります。


ごく簡単に説明すると、中性脂肪が代謝されるときにできるいわゆる“カス”からHDLコレステロールができます。ですから、中性脂肪が燃えて使われるとHDLコレステロールが増えるわけです。

なのでHDLコレステロールが低い人は十中八九、中性脂肪が高くなっています。

 中には食事でコレステロールをそんなにとっておらず、太ってもいないのにLDLコレステロールの数値が異様に高い人がいます。


これは遺伝が原因であることが多く、その代表的な病気が「家族性高コレステロール血症」です。日本では200~500人に1人の割合とされています。


細胞膜などの材料として使われなかったコレステロール(LDL)は余ってしまい、血液循環で全身から回収されてきます。そして、通常、肝臓に運ばれて処理されますが、そのLDLコレステロールを肝臓で受け取る受容体の遺伝子に異常があると、せっかく回収されてもLDLコレステロールが肝臓に取り込まれず、血液中にあふれてしまいます。


こういう人は子どもの頃からLDLコレステロールの数値が高いため、早くから動脈硬化が進み、心筋梗塞などの発症や死亡のリスクを上げてしまいます。

 

一般にLDLコレステロールが180mg/dL以上

あって、2親等以内の血族に家族性高コレステロール血症の人がいるなど、いくつかの特有の所見があると、家族性高コレステロール血症と診断されます。


こういう人は食事を制限しても劇的にLDLコレステロールが下がることはないので、薬を飲むしかありません。


 LDLコレステロールは、いわゆる体質の影響が大きく、家族性高コレステロール血症と診断される値ではなくても、生まれつき高くて食事に注意してもなかなか下がらないということは珍しくありません。


実は私も、その一人でシニア世代に入るころから、どんなに食事を気をつけてもLDLコレステロールの値が高い傾向が続きました。


そこで、生活習慣では改善しないので、薬を飲んで数値を下げることにしてから、正常値より低めで推移しています。


家族性高コレステロール血症など、食事に注意してもLDLコレステロールが下がらない人は、早めに薬を飲んで数値を下げることが大切だと考えます!

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