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くめちゃんのつぶやき脳No.391

◇キノコはがん予防に本当に役立つの?


食生活ががんの予防においても重要な役割を果たすことは知られてきています。

その中でもキノコ類は免疫系を活性化させがん予防になると考えられています。


それは、キノコ類は、低カロリーで低糖質、かつ、塩分、脂肪も少なく、コレステロールを含まないといった好ましい特徴を持つこと。

また、生理活性化合物、例えば、フィトケミカル(フェノール酸、フラボノイド、カロテノイドなど)、食物繊維、ポリサッカライド、セレニウム、ビタミン、抗酸化物質(エルゴチオネインやグルタチオンなど)を豊富に含みます。


したがって、積極的に食べれば健康全体に好ましい影響が現れると期待されてきたのです。

しかし、これまでがんの予防にキノコの摂取が役立つかどうかを調べた研究では、効果があるとした報告と、効果はないとする報告が入り交じっていて、本当のところは明らかになっていません。


こうした研究報告を背景に、今回米Pennsylvania 州立大学医学部のDjibril M Baらは、これまでに行われた観察研究のデータを合わせて分析し、キノコの摂取とあらゆるがん、および、各部位のがんのリスクの関係を検討し、その結果が報告されました。


 世界的な文献データベース17件に対して分析が行われたこの調査から、キノコ類の摂取量が多いことは、がんの発症リスクが低いことに関係しているとしています。具体的には、摂取量が最も少なかったグループと比較すると、摂取量が最も多かったグループのがん発症リスクは34%低くなっていました。


発生部位ごとにがんのリスクとキノコの摂取量の関係を検討した結果では、乳がんについてのみ、統計学的に有意な関係がみられました。


乳がんとキノコの摂取量の関係を調べていた10件のデータを統合した分析では、キノコの摂取量が最も多かった女性では、乳がんのリスクが35%低いことが示されました。


また、13件の研究データを基に、乳がん以外のがんのリスクを分析すると、キノコの摂取量が最も多かったグループでは発症リスクが20%低いことが示唆されました。


 乳がん以外の個々のがんについて統計学的に有意なリスク低下が認められませんでした。

その理由として、研究者たちは研究の件数が少なかったことを挙げています。


さらに、7件の研究のデータを用いて、キノコの摂取量とがん発症リスクの間に用量反応関係があるかどうか調査した結果、直線的ではないものの、用量反応関係が認められた。


すなわち、キノコ摂取量が増えると、がん発症リスクは低下したということです。


また、得られたグラフに基づいて推定したところ、キノコを全く食べない場合と比較すると、1日18gの摂取で、あらゆるがんのリスクが45%低下する可能性が示されました。


18gというのは、中くらいの大きさのシイタケの傘の部分の重さにほぼ相当します。

ちなみに、エリンギ1パックの重量がおおよそ100gです。1日に18gというのは、容易に摂取できる量と考えられます。

原著論文




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