top of page

くめちゃんのつぶやき脳No.388

◇クイズで学ぶ「急性大動脈解離」


働き盛りの人が突然倒れて帰らぬ人となることが多い「急性大動脈解離」。


死亡率が高く一刻も争う怖い病気の代表格です。今回はこの「急性大動脈解離」について取り上げました。

問題】

次の①〜④の「急性大動脈解離」の説明として、間違っているものはどれでしょう? 

お考え下さい


①大動脈の内側の膜が裂け、そこに血流が入り込み、膜がはがれていく

②胸背部の激しい痛みを伴うことが多いが、肩こり程度の痛みで済む場合もある

③急性大動脈解離で突然死した人のうち、2~3割が病院到着前に亡くなっている

④発症リスクが高いのは、60~70代である


【解説】

まず、急性大動脈解離について説明します。

大動脈は、心臓から全身に送り出される血液が最初に通る血管で、全身の血管のなかで最も太く、直径2~3cmもあります。他の動脈と同様jに大動脈も、内膜、中膜、外膜の3層構造からなります。

何らかのきっかけで内膜が裂け、中膜に血流が入り込み、大動脈の壁が次々とはがれていくのが急性大動脈解離です。





健康な人でも何の予兆もなく発症する可能性のある病気ですが、患者の7割で高血圧があるとされています。

ですから、予防対策としては、過度に負荷のかからない生活をしつつ、血圧管理をしっかりすることが大切です。


特に冬の時期は、急激な気温変化、緊張やストレス、そして運動など血圧上昇リスクなどが重なることで、患者数が増える傾向があるとされています。


 急性大動脈解離は、多くの場合、胸背部の激しい痛みがあるのが特徴ですが、なかにはそのような症状を起こさない場合もあります。

肩こりや首の痛み程度で、病院を受診しないまま経過することもあり、その場合はやがて慢性大動脈解離という病態に移行します。


慢性大動脈解離では、3〜5年という時間をかけて解離性大動脈瘤を作ることがあり、その直径が5.5cmを超えると、大動脈瘤破裂のリスクが高まります。


大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2011年改訂)では、大動脈解離で突然死した人のうち、6割ほどが病院到着前に亡くなっているとしています。 

急性大動脈解離は健康な人でも起こりえる病気ですが、発症リスクは年齢とともに高まり、最も発症リスクが高いのは男女とも60代〜70代とされています。


 また、40代や50代で発症することもまれではなく、「血圧高め」と言われている人は、日頃から血圧管理に気をつけていきましょう。


正解(急性大動脈解離の説明として間違っている記述)は、

(3)急性大動脈解離で突然死した人のうち、2~3割が病院到着前に亡くなっている です

Comments


特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page