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くめちゃんのつぶやき脳No.379

◇「少量の飲酒でも太る」?!


前回、お酒そのものが太る!という衝撃的なことを話しましたが、糖質の多い醸造酒はやめて蒸留酒の焼酎やウイスキーなら大丈夫だと思っていた人も多いはず。


アルコール由来のカロリーはすぐに代謝されてしまうはず、と反論の声が聞こえてきそうです。

アルコール由来のカロリーでは太りにくいといわれるのは、アルコールが分解されるときの中間生成物が酢酸であることに起因します。


短鎖脂肪酸に分類される酢酸は、近年「体に脂肪がつきにくい健康オイルとして注目されているMCTオイル(ココナッツやパームに含まれる中鎖脂肪酸油だけを取り出した食用油のこと)に多く含まれる中鎖脂肪酸よりも、さらに分解しやすい脂肪酸なのです。


 アルコールを摂取すると、小腸などで吸収され、肝臓などで分解される。その中間生成物である酢酸が、筋肉などで最終的に炭酸ガスと水に分解されるときに熱エネルギー(アルコール1g当たり7.1kcal)が放出される。

ですから、短鎖脂肪酸は、通常の油に多く含まれる長鎖脂肪酸よりも消費されやすく、体内で優先的に使われる可能性は高い。しかし、それで太らないとは言えないのです。

短鎖脂肪酸もエネルギーを有していて、とればとっただけエネルギー過多になるからです。


それでは、実際にどれぐらいの量を飲めば肥満につながるのか。飲み過ぎれば太るのは分かるが、「ここまでの量ならセーフ」という“適量”が知りたい。


世界各国のさまざまな肥満に関する研究結果をまとめた論文( Curr Obes Rep. 2015; 4(1): 122–130.)では、少量から中程度の飲酒では結果がまちまちで、過度の飲酒はおおむね体重増加につながる、と結論しています。


しかも、少量の飲酒でも体重増加につながるという研究結果欧州国際肥満学会のニュースリリースが、2020年9月にオンラインで開催された欧州国際肥満学会で報告されました。


 少量でも太る……。もしそれが本当なら、左党にとって大ピンチである。


この研究によると、1日当たり缶ビール(355mL)半分以上のアルコール摂取で、肥満やメタボリックシンドロームのリスクが高まったそうです。特に男性では顕著で、1日ビール半缶超~1缶以下のアルコールをとる男性は、非飲酒者と比べて肥満のリスクが1.1倍。1缶超~2缶以下では肥満のリスクが1.22倍、2缶超では肥満のリスクが1.34倍でした。これは韓国の20歳以上の約2700万人のデータを解析した結果です。東アジア人を対象とした研究なので注目されます。


少量でも太る可能性があるとは、愛飲家にはまたもやショックな報告です。


そこで、なるべく太らないようにするには、どのような酒を選べばよいだろうか模索したくなります。


最近は発泡酒をはじめ、ビールやチューハイでも「糖質ゼロ」をうたった商品が発売されているが、それもダメなのだろうか。


糖質ゼロであれば、確かにその分、カロリーは少ないのですが、しかし、人工甘味料で味をつけた甘いお酒は要注意です。


人工甘味料の種類によっては、飲んだときに膵臓が「糖が入ってきた」と勘違いして、インスリンを分泌してしまうので。インスリンの分泌量が増えれば、結果として血糖値が下がり、空腹感を覚えるので、何か余計に食べたりすることにつながってしまうリスクが高まります。


 太りたくないからと人工甘味料の酒を飲んで、それが食べ過ぎにつながってしまっては本末転倒。


また、アルコールによって食欲が増進するという説があります。詳しいメカニズムはまだはっきりとはしていませんが、動物実験のレベルでは、アルコールによって食欲を促進する脳細胞が刺激され、空腹でもないのに食欲が高まるという報告があります( Nature Communications. 2017; volume 8, Article number: 14014 )。


 飲み過ぎた翌日は空腹感が強くなり、またハンバーグやラーメンといったハイカロリーなものが恋しくなる。これも体に残ったアルコールのせいなのだろうか。


ほかに、アルコールを飲み過ぎて食欲などを司る大脳皮質が麻痺すると、飲む量や食べる量に歯止めがききにくくなります。そういう失敗の経験がある方も多いのではないでしょうか。




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