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くめちゃんのつぶやき脳No.344

◇珈琲は健康寿命の延長効果が期待できる物質


私を含めて珈琲党に嬉しい報告です

「コーヒー博士」として知られる東京薬科大学の岡希太郎名誉教授の記事から紹介します。

岡先生とは私が同大学で研究生活を送っているときによく存じ上げている先生です。

著書も読ませていただいています。


コーヒーに含まれるニコチン酸、これはビタミンB3のひとつです。

キノコのヒラタケや大粒種のピーナツの含有成分として知られ、深く煎ったコーヒーに含まれています。

様々なコーヒーの成分のうち、唯一のビタミン。

ちなみにタバコのニコチンとは異なる物質ですよ。


なぜニコチン酸には「健康寿命の延長効果」が期待できるのかについて、岡先生は、それはNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という物質との関係で説明できると話されています。


NADとは細胞内のミトコンドリアの中にある補酵素のこと。

酸化還元反応に関与する重要な物質で、細胞にできた傷の修復を促すほか、「人間が生きていくうえで一番大事なエネルギーをつくります」と述べています。


人間のエネルギーは、ミトコンドリア内の様々な代謝酵素が栄養素を分解することによって得られますが、この代謝酵素はNADと結合することによって酵素活性を発揮します。ここでつくられたエネルギーはATP(アデノシン3リン酸)というリン酸化合物に保存され、体の隅々にまで運搬されていきます。


NADは加齢とともに減少し、これが老化関連疾患の原因の1つになるとみられています。

ですから、NADが不足すると体の中でエネルギーが生み出せなくなり、それが筋肉量が減少するサルコペニアやロコモ、フレイルにつながる可能性があるわけです。いわば体というエンジンがガソリン不足になり、元気が出なくなるということです。


 ニコチン酸は体内で、このNADに変化します。

深く煎ったコーヒー豆10グラム中には、ニコチン酸が3~5ミリグラム含まれます

これを1日に3、4杯飲めば、NAD不足にならないだけの量に近いニコチン酸を摂取できるという。

ビタミンB3自体は100年以上前に発見され、戦後の食料難の時代には病気の予防のために小麦や米に添加された歴史があります。現代ではこれが社会の高齢化に伴い、“老人病”(加齢性疾患)を防ぐ効果が見直され始めたので、いわば古くて新しい成分といえる存在です。

ニコチン酸の効能に関する論文では、善玉コレステロールを増やす効果や、皮膚・粘膜の健康を保つ美肌効果などが注目されていますが、医療の現場では、様々な病気の治療にも使われ始めています。


その1つに、先天的なNAD不足による筋無力症で難病に指定されている「ミトコンドリア・ミオパチー」があります。昨年にはヘルシンキ大の研究チームが、ニコチン酸の投与で患者の筋肉中のNAD濃度が高まり、副作用もなく運動機能が回復したと発表。また中国の医師団からは、やはり難病の潰瘍性大腸炎をニコチン酸の追加投与で治癒させたとの論文も発表されている。


岡先生は「年をとってもニコチン酸を摂取してNADを増やし、細胞内のミトコンドリアでしっかりエネルギーをつくることができれば、免疫力も高められる。人間本来の生命力を上げられるわけです。コーヒーを飲む習慣は、この点でも健康維持に役立つ可能性がある。なかにはコーヒーが苦手な人もいるので、容易に手に入るニコチン酸のサプリメントなどの普及」を期待されてもいます。


コーヒーはかつて発がんリスクが疑われるなど“悪者扱い”されがちでしたが、その健康効果が注目されるようになったのは今世紀に入ってからのこと。


2002年にオランダの学者が、コーヒーの摂取が(生活習慣病の)2型糖尿病になるリスクを低下させる、という内容の論文を英医学誌「ランセット」に発表したのを機に、様々な疾病に関するコーヒーの疫学研究が活発になってきました。


人種や国、文化の違いによらず、コーヒーを飲むことで3大死因病(心臓病、脳卒中、呼吸器疾患)などの罹患(りかん)リスクが下がることを指摘する論文がこれまでにも数多く発表されており、4、5年前までにはその多くで根拠が認められています。


 健康との関連においてよく取り上げられるコーヒーの有効成分が、植物の色素や苦みの成分であるポリフェノールの1つで、抗酸化作用が認められているクロロゲン酸


 体の中の過剰な活性酸素は細胞自体を痛め、老化を引き起こします。例えば血管の壁が老化すると動脈瘤(りゅう)などが起きやすくなり、糖尿病が重なれば粥状(じゅくじょう)動脈硬化が起こって血行を阻害し、心臓や脳の働きに悪影響を与えます。クロロゲン酸はこうした過剰な活性酸素の無力化に貢献し、細胞の老化、炎症を抑えることが判明しています


 クロロゲン酸にはインスリンの分泌を促すなど2型糖尿病の予防効果も指摘されている。


ただ、コーヒー豆を深く煎ると、このクロロゲン酸は失われてしまう。

岡先生はは、ニコチン酸が豊富に含まれる深煎りの豆と、クロロゲン酸が豊富に含まれる浅煎りの豆をブレンドしたコーヒーを飲むことを勧めておられます。

わたしも、参考にブレンド可能なコーヒーを探してみよっと!



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