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102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.688

  • 13 分前
  • 読了時間: 4分

心が晴れない毎日から抜け出す

女性に多い“もやもや不安”の見分け方と対策②



◇その不安、性格のせいだけじゃない。“ずっと心が晴れない人”が抱えている本当の理由


「心配性なんです」と言うと、なんとなく“性格の一部”のように聞こえますよね。

実際、これまでの研究では、性格の約40%は親から受け継いだ気質が関わっているといわれています。そこに、これまで生きてきた環境や経験が重なり合って、“不安になりやすさ”が形づくられていくのだそうです。


ただ、その不安が強くなりすぎて、長く心を占領するようになると、医学的には「不安症」と診断されることがあります。


放っておくと、心のエネルギーがすり減り、うつ病につながってしまうこともあるため、早めに気づくことがとても大切です。

同じ不安症でも、タイプによって感じ方は大きく違います。


●パニック症(パニック障害) 突然、胸がドキドキして息が苦しくなり、「このまま死んでしまうのでは」と思うほどの強い発作が起こります。

発作そのものは数分でピークに達し、やがて落ち着いていきますが、「また起きたらどうしよう」という恐怖がつきまとい、日常生活を狭めてしまうことがあります。


●全般不安症(GAD) こちらは、特定のきっかけがなくても、もやもやした不安がじわじわと続くタイプです。 まるで頭の上に黒い雲がかかったように、心が晴れない状態がずっと続いてしまうのが特徴です。


どちらも「気のせい」や「性格だから仕方ない」で片づけてしまいがちですが、実は心のSOS。

不安が長く続くと、脳も体も疲れ切ってしまいます。

「最近ずっと心が晴れない」「不安が止まらない」 そんなサインが続いているなら、あなたの心はそっと助けを求めているのかもしれません。



うつ病と全般不安症は、まったく別の病気のように思えますが、実は症状が重なっている部分がとても多いんです。

うつ病には「気分の落ち込み」と「興味や喜びの喪失」という2つの代表的な症状があります。

でも、それ以外にも 眠れない・疲れやすい・集中できない・落ち着かない といった不調があり、これは全般不安症とそっくり。

そのため、医療機関によっては、全般不安症があっても“うつ病だけ”と診断されてしまうケースがあるのです。


そしてここが、とても大事なポイントです。

不安を抱えたままのうつ病は、薬が効きにくく、治りにくい。

これは臨床の現場でもよく知られている事実です。

つまり、 本当は「不安の問題」を抱えているのに、それが見逃されてしまうと、治療が長引き、つらさが続いてしまう ということ。


「なんで良くならないんだろう」 「薬を飲んでいるのに、しんどさが抜けない」 そんな背景に、気づかれないままの全般不安症が潜んでいることがあります。


◆不安を強める“思考のクセ”を整える治療もある

全般不安症の治療には薬だけでなく、 不安を大きくしてしまう“ネガティブな思考や行動のクセ”を整える認知行動療法(CBT) という心理的アプローチがあります。


不安が強いと、 「また悪いことが起きるかもしれない」 「きっと失敗するに違いない」 といった考えが頭の中でぐるぐる回り、さらに不安を増幅させてしまいます。

認知行動療法は、この悪循環を少しずつほぐし、 「不安に振り回されない心の使い方」 を身につけていく方法です。

薬だけでは届きにくい部分にアプローチできるため、 不安が長く続いている人にとって大きな助けになることがあります。



「不安」という感情は、決して悪者ではありません。

むしろ私たちが生き延びるために欠かせない、大切な“センサー”のようなものです。


不安があるからこそ、危険を避けようとするし、災害への備えもする。

もしまったく不安を感じない生き物だったら、危険に気づけず、準備もせず、命を落とす確率はぐっと高くなってしまいます。


そう考えると、不安は本来、私たちを守るために備わった必要な感情なんですね。

ただ――ここがとても重要なところです。

不安や心配に“過剰に”とらわれすぎると、今度は私たちの幸せが遠のいてしまう。

不安は本来、短い時間だけ働いてくれれば十分な感情です。

ところが、ずっと頭の中で鳴り続けるアラームのように、不安が止まらなくなると、心も体も休む暇がなくなってしまいます。



「また悪いことが起きるかもしれない」 「ちゃんとできているか不安で仕方ない」 「考えても仕方ないのに、頭から離れない」

そんな状態が続くと、心のエネルギーはどんどん削られ、日常の楽しさや余裕が奪われていきます。


不安は“必要な感情”。 でも、必要以上に強くなりすぎた不安は、私たちの人生を生きづらくしてしまう。

その境界線に気づけるかどうかが、心の健康を守る大きな分かれ道になります。

 
 
 

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​代表 薬学博士 竹内 久米司

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