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くめちゃんのつぶやき脳No.331

  • 執筆者の写真: 竹内久米司
    竹内久米司
  • 2021年1月4日
  • 読了時間: 2分

◇新型コロナウイルスに対するマスクによる拡散・吸い込  み抑制効果


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、飛沫やエアロゾルが感染経路であり、感染拡大を防ぐためのマスク着用は、もはや乳児などを除き日常生活に必須となっている。

しかし、浮遊するウイルスに対するマスクの防御効果はいまだ不明。 

今回、東京大学の河岡 義裕氏らの研究グループが実際にSARS-CoV-2を用いてマネキンに装着したマスクを通過するウイルス量を調べた結果、SARS-CoV-2の空間中への拡散および吸い込みの両方を抑える効果を確認。


一方、医療従事者が頻用するN95マスクについては、高い防御性能を示したものの、マスク単体ではウイルスの吸い込みを完全には防げないこともわかった。


実験では、ウイルスを吸い込む側のマネキンに各種マスク(布、サージカル、N95)を装着し、ウイルスの吸い込み量を調べたところ、布マスクでは、マスクなしと比べウイルスの吸い込み量が60~80%に抑えられ、サージカルマスクでは約50%、N95マスクでは10~20%まで抑えられることがわかった。


ただし、N95マスクは十分にフィッティングをしなければ防御効果は低下し、隙間を完全に塞いでもなお一定量のSARS-CoV-2がマスクを透過することがわかった。


さらに、ウイルスを吐き出す側のマネキンに布マスクまたはサージカルマスクを装着させ、吸い込む側のマネキンにも各種のマスクを装着させると、相乗的にウイルスの吸い込み量が20~30%程度まで減少することがわかった。  一方で、ウイルスの遺伝子はいずれのマスク着用時においても検出されたという。


著者らは、「実際の感染者から吐き出されたウイルスがマスクを通過して感染を引き起こすのか否かについては今後の更なる解析が必要だが、マスクのみでは浮遊するSARS-CoV-2の吸い込みを完全には防げないことを示唆している」と述べ、適切なマスクの着用法を徹底すると共に、マスクの防御効果を信頼し過ぎず、ほかの感染拡大防止措置との併用を考慮すべきとしている。


原著論文はこちら


 
 
 

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