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102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.630

  • 執筆者の写真: 竹内久米司
    竹内久米司
  • 5月9日
  • 読了時間: 4分

中性脂肪が上がりやすいのは?

クイズで学ぶ「中性脂肪」


【問題】健康診断で気になる「中性脂肪」

日本人の食生活を対象とした長期的な疫学研究により、特定の食品や栄養成分が認知機能の維持に有益である可能性が指摘されています。

その中で該当しないものは次のうちどれでしょう?.


(1)乳製品

(2)緑茶

(3)うどん

(4)大豆製品

(5)DHA(青魚に多く含まれる多価不飽和脂肪酸)


【解説】

 ◇ぽっこりお腹の人、暴飲暴食の人は中性脂肪が上がりやすい

 健康診断を受けた人が気になる検査項目の数値は「中性脂肪」ではないで

 しょうか。

中性脂肪は、肉や魚、植物油などに含まれる脂質の1つです。

正式には「トリグリセライド(トリグリセリド)」といいます。

中性脂肪は私たちの体のなかでは皮下脂肪や内臓脂肪の主な成分として貯蔵されています。


それは、中性脂肪はエネルギー源となると同時に、エネルギーの貯蔵庫としての役割も担っています。

また、体温を一定に保ったり、臓器を衝撃から守る働きもあり、私たちの生命を維持するうえで欠かせない成分でもあります。


大切な成分である中性脂肪がなぜ問題になるのでしょうか?

それは、中性脂肪が過剰になったときに問題が生じます。


食べ過ぎや運動不足になると、中性脂肪をエネルギーとして使い切ることができず、その結果肥満を招き、間接的に動脈硬化を促進することになります。


動脈硬化は放っておくと心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすため、健康診断で中性脂肪が異常値になったら、生活習慣を見直して数値を下げる必要があるのです。


では、どんな人、どんなときに中性脂肪は上がりやすいのか考えてみましょう。まず注意したいのは肥満がある人です。


ただし、肥満がある人すべてで中性脂肪が高値になるわけではありません。


女性に多い皮下脂肪型の肥満の場合は、中性脂肪値はそれほど上がりません。


一方、BMI( BMI(Body mass index:体格指数)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)。日本肥満学会はBMI18.5未満を低体重、18.5~25未満を普通体重、25以上を肥満としている。 )では肥満に該当しない人でも、内臓脂肪がたまってお腹がぽっこり出ているような場合には、中性脂肪値が上がりやすいことが知られてます。

内臓脂肪がたまっていると、肝臓に脂肪がたまる脂肪肝にもなりやすいため、脂肪肝のある人の多くも、中性脂肪値が高い傾向になることが多いです。


「食後高脂血症」の危険性が明らかに!

 さて、これまで「中性脂肪値が高い」と指摘されたことはない人でも、油断は禁物ですよ。

健康診断は、朝起きたら朝食を食べずに会場に行き、空腹状態で採血を受けるのが一般的です。しかし近年、「食後高血糖」と同じように、空腹時の中性脂肪値だけを見ていては、生活習慣病の重要な危険因子を見落とすとの判断が加わり、食後の中性脂肪を測定することになりました。つまり食後に中性脂肪が異常に増えたり、増えた状態が長く続いてなかなか下がらなかったりする「食後高脂血症」を見つけようとなりました。


そして、食後高脂血症がある人は、空腹時に中性脂肪が高い人と同等かそれ以上に、動脈硬化が進むリスクがあることが明らかになってきたのです。

 このため、2022年7月に改訂された「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版」(日本動脈硬化学会)でも、脂質異常症の新たな診断基準として、食後(非空腹時、随時)の中性脂肪値が追加されました。





食後高脂血症になりやすい因子は「空腹時の中性脂肪値が高い」「男性、閉経後女性」「糖尿病」「メタボリックシンドローム」「腎機能低下」などです。

 これらの危険因子がある人や、空腹時・食後を問わず、中性脂肪値が高いことが分かっている人は、すでに動脈硬化が始まっている可能性があるため、今すぐにでも中性脂肪対策を始める必要があります。


中性脂肪値を下げるために取り組むべきポイントがあります。それらは、食事や運動での対策を正しく実践し着実に成果が表れやすいため、できるところから取り組んでいきましょう。





 

【正解】

(3)食事で上がるので、空腹状態で受けた検査しか参考にならない です。

 
 
 

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