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くめちゃんのつぶやき脳 No.173 ◇「うつ」と「うつ病」の違い

うつ病の人が増えている。社会生活や仕事が複雑なものになっていることに加え、以前よも精神科受診に対する心理的ハードルが低くなっていることも原因とみられている。

誰も耳にする「うつ病」だが、正しく理解している人は少ないと言える。

そこで正しく理解するために「うつ」と「うつ病」の違いについて解説します。

うつ病は「心の風邪」、こんな表現を聞くくらい、いまやうつ病はポピュラーな病気。

厚生労働省の患者調査によると、患者数は1996年の約43万3000人から2017年には約127万6000人と、21年間で約3倍になった(*1)。

ひとりの人が一生のうちでうつ病にかかる率は7.5%というデータもある。つまり、うつ病は誰でもかかる可能性がある病気といえる。

*1 うつ病、双極性障害(以前は躁うつ病と呼ばれていた)、気分変調症などを含む気分(感情)障害の患者数

 風邪というと軽い響きだが、風邪をこじらせると肺炎になってしまうのと同様、うつ病も対応を間違うと慢性化し、最悪の場合は自殺につながることもある。決して侮ることはできない病気だ。

まず、うつ病の症状として「うつ」がある。

うつは、挫折、心配、不安、失敗などが引き金になり気分が落ち込む状態である。

うつ病は、単なるうつよりもはるかに強く、はるかに長く、はるかに大きい症状になる。

「生きていることさえつらい」状態となり、生活や仕事に甚大な影響を及ぼすことになる。

単なるうつは気分の問題だが、うつ病は病気です。

うつ病になると思考、知覚、認知も障害され、息苦しくなったり、発汗したり、手足がしびれ、食欲もなくなり、寝てもすぐに目が覚め、慢性的な睡眠不足の状態となる、いわゆる自律神経失調症の状態となることもある。

うつ病の原因はストレスや環境、遺伝要因などが複合的に関わると考えられている。

発症にはホルモンやセロトニンなど脳内の神経伝達物質のバランスの乱れも関与することが知られ、薬物療法でそうしたバランスを維持することが治療に応用されている。

男性より女性が多い理由の一つも、ホルモン分泌の変化が影響するためと考えられている。

特に妊娠・出産などを契機に起こるうつ病にはホルモン分泌の状態が影響する。

 うつ病は会社や社会でそれ相応の責任を負うようになった40歳代が最も多いが、これも、ストレスをうまく処理できず、自分の心にひずみが蓄積した結果と捉えることができる。

うつ病になっても自然に改善することもあるが、中には慢性化させてしまう人も少なくない。うつ病を含む心の病気が慢性化しやすい人の特徴として、次の4つのパターンがある。

1.劣等意識

 絶えず他人と自分とを比較して、自分が劣っていると思いがちな意 識のこと。

2.被害者意識 が強い傾向もある。例えば、「職場が自分を理解して くれず、損をしている。本来はもっとできるはずだ」という感情だ。

3.完全主義 さらに物事を完全に成し遂げたいというのも顕著だ。

 このような人は自分にも厳しいが、他人にはより厳しい姿勢を取り がちだ。

4.執着主義  長所と短所が表裏一体となった性格。徹底的に、粘り 強く、コツコツと丁寧に仕事をし、周囲の評価を得ている半面、他 人の評価を気にしすぎ、頭がかたく、物事の重み付けが苦手で、融通 が利かない点があり、結果的に自分を苦しめることになる。

 こうした性格の持ち主に対して、ノージャッジが勧められている。

ノージャッジ、つまりジャッジしないこと。

他人は他人、自分は自分と割り切って、比較する思考の習慣を修正 することです。

といっても、すぐにこのような考えを改めることはできません。

そこで、ブレインバランスコントロール公開講座でお話しした、あり方の4要因の中の「ありのまま」の生き方が大切になってくる。

気分の落ち込みだけなら2~3日で治ることが普通だ。

しかしうつ病になると、その間はひどくつらく、しかも長期間にわたって続くこともある。慢性化させると治りにくくなることも事実だ。

 精神科や心療内科などの医療機関を受診するタイミングはどのような場合だろうか。仕事や学校、生活などに支障が出てくるようになったら、医療機関を受診するのが賢明。

ひとりで我慢していると、考えが極端になりがちです。

自分が十分な仕事ができないために会社が経営不振に陥るなどの妄想的な考えにとらわれてしまうこともあり、悲観するあまり自殺を考えることすらあります。このような状況に陥る前に医療機関を受診することをお勧めします。

うつ病と見分けづらい病気もある。

また、中には別の病気の治療のために服用している薬が原因というケースもある。

心配になった際には専門医に相談することも大切。診断名が違えば、治療法も変わります。適切な治療のためにも正しい診断が必要ですが、実はそう簡単なことではありません。個々の状況や性格的な傾向、経過などを見て判断されます。

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