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くめちゃんのつぶやき脳 No.138 ◇高カロリーなのはファストフードだけではない/米国調査

外食のエネルギー量は、フルサービス食およびファストフード食のいずれもきわめて高く、むしろファストフード食のほうが低い傾向があり、これは広範な地域でみられる現象で、世界的な肥満の下支えとなっている可能性があると、米国・タフツ大学のSusan B. Robertsらの調査で明らかになりました。

肥満の有病率は多くの国で増加し続けている。

大規模にチェーン展開しているレストランの栄養情報によると、ファストフードは世界的な肥満の最も重要な寄与因子とされるが、他の形式のレストランの食事については、エネルギー量の測定データがなく、肥満への寄与の程度はほとんど知られてないという。

世界6都市223種の外食を調査

 研究グループは、5ヵ国のフルサービスおよびファストフードのレストランの、注文数の多い食事のエネルギー量を測定し、米国と比較する横断的調査を行った。  6ヵ国の主要都市(ブラジルのリベイラン・プレト、中国の北京、フィンランドのクオピオ、ガーナのアクラ、インドのバンガロール、米国のボストン)で無作為に選出された111店のフルサービス(接客係が給仕し、店内で着席して食事を摂る)およびファストフード(カウンターで供され、店内または店外で食事を摂る)のレストランで提供される223種(フルサービス食:136種、ファストフード食:87種)の一般的な食事の代表サンプルを用いてエネルギー量を測定した。

フィンランドでは、5つの職場の社員食堂で提供される10種の食事も含まれた。

当該レストランで注文の多い食事を観察単位とし、食事のエネルギー量の測定にはボンブ熱量計が用いられた。

米国より低いのは中国のみ

 米国と比較して、レストランの食事のエネルギー量の加重平均値が低かったのは、中国だけであった(719kcal[95%信頼区間[CI]:646~799] vs.1,088kcal[1,002~1,181]、p<0.001)。

 分散モデル分析では、ファストフード食のエネルギー量はフルサービス食よりも33%低かった(p<0.001)。フィンランドでは、社員食堂の食事がフルサービスやファストフードレストランよりもエネルギー量が25%低かった(平均880[SD 156]kcal vs.1,166[298]kcal、p=0.009)。

多元配置分散分析では、国、レストラン形式、食事の食材数、重量は、食事のエネルギー量を予測した(R2=0.62、p<0.001)。

フルサービス食の94%、ファストフード食の72%が、600kcal以上であった。

 モデル解析では、中国を除くと、現在のフルサービス食またはファストフード食を毎日1食摂ると、追加食や飲み物、間食、前菜、デザートを摂らなくても、あまり体を動かさない女性に求められる1日のエネルギー量の70~120%が供給される可能性が示唆された。

 著者は、「一般的な思い込みに反し、ファストフード食のエネルギー量は、フルサービスのレストランの食事よりも3割以上も低かった」とまとめ、「高エネルギーのレストランの食事は、世界的な肥満蔓延の重大な寄与因子であり、公衆衛生的介入における影響力の大きい標的として妥当である」と指摘している。

本調査に、日本が入っていないのであくまで参考ですが、おそらく日本は中国よりはさらに低いのではと思われます。

日本の外食チェーンには和食メニューもあり、また、ほとんどがメニューにカロリーが表示されているのが一般的。

注文の際にカロリーを考えて注文する人も多くなってきているので、極端なカロリーオーバーにはなっていないのではないでしょうか。

原著論文はこちら

Roberts SB, et al. BMJ. 2018;363:k4864.

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