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くめちゃんのつぶやき脳 No.130 ◇「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性あり

食生活は生活習慣病の発症に関与するだけでなく、認知症の発症にも影響を及ぼすといわれている。しかし、どのような食生活が認知症リスクを高めるのか具体的に知りたいところです。

今回、JAlzheimers Dis誌オンライン版2012年7月17日号にRobertsらによるカロリー摂取と認知症との関係を検討した報告が掲載されていましたので紹介します。

 調査は高齢者(年齢中央値:79.5歳)を対象とした集団ベースの前向きコホート研究により、毎日の総カロリーにおける主要な栄養素の割合と軽度認知障害、または認知症の発症との関係が調べられた。

追跡期間の平均は3.7年。認知機能は15ヵ月ごとの臨床認知機能評価法スケール、神経学的評価、神経心理学テストにより評価した。

カロリー摂取については、試験開始前に128項目に及ぶ食物に関するアンケートを実施し、1日の総カロリーや主栄養素摂取量を既成のデータベースを用い算出した。主栄養素摂取量は1日総カロリー当たりのタンパク質、炭水化物、総脂質の割合として計算された。

主な結果は以下のとおりです。

・試験開始前に認知機能が正常であった937名のうち、

200名は軽度認知障害または認知症であると診断された。

・軽度認知障害または認知症のリスクは、炭水化物の摂取割合が高い方で

1.89倍上昇した。

 また、脂質の摂取割合が高い方やタンパク質の摂取割合が高い方では

減少した。

・炭水化物からのカロリー摂取率が高く、脂質およびタンパク質からの

摂取率が低い高齢者では、軽度認知障害または認知症の発症リスクが

増加する可能性が示唆された。

肥満と認知症との関係に関する報告もあるが、基本的には食習慣が主要因になっていることが示唆されます。

要は炭水化物を摂りすぎる食習慣は高齢になってからの認知症発症リスクを高める可能性があることを考えさせられる報告です。

原著論文はこちら

Roberts RO, et al. J Alzheimers Dis. 2012 Jul 17. [Epub ahead of print]

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