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くめちゃんのつぶやき脳 No.85 脱水症は脳梗塞や肺炎の原因にもなる、健康長寿の大敵②

◇水分の出入りのバランスが崩れると、脱水が起こる

脱水症はどんな原因で起こるのだろうか。

 私たちの体の体液は、毎日入れ替わりながら常に一定量になるように調節されている。体重60kgの人では、1日に約2500mL(2.5リットル)もの水分が身体から出たり入ったりしている。

脱水症が起こるのは、この水分の出入りのバランスが崩れたとき、つまり、「出ていく水分が多くなったとき(=喪失過剰)」、あるいは「入ってくる水分が少なくなったとき(=供給不足)」だ(図)。

水分が出ていくルートには、尿、便、汗、不感蒸泄などがある。

不感蒸泄とは、汗として目に見えなくても、皮膚や呼気から知らず知らずにうちに蒸発していく水分のこと。

私たちは、一般的に1日に約900mLの水分を不感蒸泄で失っている。

熱があるときや空気が乾燥しているときは、不感蒸泄はさらに多くなる。

これに加えて、炎天下で大量の汗をかいたり、下痢や嘔吐をしたりすると、通常よりも多くの水分を失ってしまうため、積極的に水分を補給しないと脱水症が起こりやすい。

 入ってくる水分が足りなくなった場合も、脱水になりやすい。水分を取り込む主なルートは、食事、飲み物、代謝水だ。代謝水とは、食物に含まれる栄養素が身体の中で代謝されてエネルギーになるときに発生するものだ。

 固形物であっても、食べ物に含まれる水分は意外に多く、体重60kgの人の場合は1日約1000mL(1リットル)の水分、つまり毎日体に入る水分の約4割を食事から得ている。このため、飲み物の量がいつも通りでも、食事の量が減ると、知らず知らずのうちに水分不足になってしまうのだ。

このような原因から脱水症に陥ると、体にどんな症状が現れてくるのだろうか。

 「身体の中で体液をたくさん必要とする臓器は、脳、消化器、筋肉の3つです。ですから脱水症になると、これらの臓器に関連した症状が起こりやすくなります」と谷口先生は話す。

 「例えば、脳ならめまい、立ちくらみ、集中力・記憶力の低下、頭痛、意識消失、けいれんなど。消化器では、食欲低下、悪心(吐き気)、嘔吐、下痢、便秘など。筋肉では、筋肉痛、しびれ、麻痺、こむら返りなどが起こります」。

このほか、汗をかけなくなって微熱が出たり、血液の量が不足して心拍数が増加し、頻脈や不整脈になることもある。

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