102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.698
- 4 日前
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命を奪う“隠れ脱水”──酷暑は静かに脳を狙ってくる⑥
◇寝不足が命を奪う――熱中症を防ぐ“眠りのチカラ
「いつも寝不足気味だ」。
前回のチェックリストの最初に挙げたこの項目は、実は熱中症リスクの大きなサインになる。
寝不足や空腹、疲労が続くと、自律神経のバランスが乱れ、体温を調節する力が弱くなる。
暑い場所に出ても汗がうまく出なかったり、逆に汗が止まらずダラダラ流れ続けたりするのは、そのサインだ。
体が「熱を逃がすべきタイミング」を正しく判断できなくなってしまうのである。
夏は蒸し暑さで眠りが浅くなりがちだが、ここで睡眠を軽く見てはいけない。
エアコンを適切に使い、寝室の温度を整え、快適な寝具や冷感グッズを取り入れるだけでも、睡眠の質はぐっと上がる。しっかり眠ることで自律神経が整い、体温調節のスイッチが正しく働くようになる。
「よく眠ること」は、熱中症予防の第一歩。
水分補給や日差し対策よりも前に、まずは“眠りの環境”を整えることが、命を守る力につながる。
◇夜間頻尿でも“水を抜かない”――脳に悟られず潤す脱水予防術
次に、チェックリストのリスク2 食間に水分を補給していない」について見ていこう。
「夏はこまめに水分補給を」とよく言われるが、実は“いつ・どれくらい飲むべきか”はあまり知られていない。
谷口先生が勧めるのは 「6オンス8回法」。
6オンス=約180mL、コップ軽く1杯ほどの量だ。
この180mLを1日8回に分けて飲むことで、体は効率よく水分を吸収できる。
ポイントは、食事のときだけでなく、食事と食事の間にも飲むこと。 理想は2時間おきの水分補給。
タイミングの例は以下の8回だ。
起床後
朝食時
朝食と昼食の間
昼食時
昼食と夕食の間
夕食時
入浴前
就寝前

そして最も大事なのは、一気に飲まないこと。
大量に飲むと脳が「水分は十分」と判断し、余分を尿として排出してしまう。
点滴のように、少しずつ体に入れていくのがコツだ。脳に“気づかれないように”水分を届けるイメージである。
高齢者は喉の渇きを感じにくくなるため、「喉が渇いたら飲む」では遅い。 薬のように時間を決めて飲むほうが、脱水を防ぎやすい。
■夜間頻尿があっても、水分はゼロにしてはいけない
夜間頻尿が心配で、寝る前の水分を控える人は多い。
しかし、全く飲まないのは危険だ。睡眠中は汗で水分が失われるため、脱水が進みやすい。
就寝前は 150mL程度を目安に、 カフェインのない常温〜やや温かい飲み物を、5分ほどかけてゆっくり飲むとよい。
もし夜中に目が覚めたら、可能なら再度少量の水分補給を。
トイレが近くなる場合は、寝る前の量を 50mLずつ減らして調整すると負担が少ない。
あなたの“本当の必要水分量”は?――体重でわかる脱水予防の黄金ルール
「1回180mLを8回飲む」といっても、すべての人が同じ量でよいわけではない。 1日に必要な水分量は、体重によって変わる。そこで役立つのが 「4-2-1ルール(Holliday–Segar式)」だ。
とても簡単なので、ぜひ自分の体で計算してみてほしい。
■4-2-1ルールの計算方法
体重を次の3つに分ける。
最初の10kg(A)
次の10kg(B)
残りの体重(C)
それぞれに A×4、B×2、C×1 を掛けて合計すると、 1時間に必要な水分量(基礎必要水分量) がわかる。
■例:体重60kgの人
A=10kg → 10×4=40
B=10kg → 10×2=20
C=40kg → 40×1=40
合計は 100mL/1時間。 これを24時間で換算すると、 100mL×24=2400mL が1日の基礎必要水分量となる。

ただし、この量をすべて飲み物で補う必要はない。 私たちは食事から 約半分(1200mL) の水分を自然に摂取している。 つまり、飲み物として補うべき量は 残りの1200mL。 これを前述の「6オンス8回法」で8回に分けて飲めば、無理なく達成できる。
■運動した日は“追加の水分”が必要
汗をかく運動を1時間ほど行った場合は、 500〜1000mL を目安に追加で水分をとるとよい。
このとき重要なのが 電解質(ナトリウム・カリウム)。 大量に汗をかいたのに水だけを飲むと、血液中のナトリウム濃度が急激に下がり、 「水中毒」 を起こす危険がある。
体液が薄まらないよう、 スポーツドリンクや経口補水液など、電解質を含む飲み物を選ぶことが大切だ。










































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