102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.655
- 竹内久米司

- 11 分前
- 読了時間: 3分
認知症予防にも?シニアの脳と筋肉を守る食べ方②
◇たんぱく質が脳と寿命を変える! 食べ方ひとつで未来が変わる
🧠「たんぱく質、足りてますか?」
筋肉だけじゃない。脳と寿命にも深く関わっています。
たんぱく質が不足すると、筋肉が減るだけではありません。
実は、認知機能の低下や寿命の短縮にもつながる可能性があるのです。
🔍【調査①】70歳以上の男女873人を4年間追跡した研究では、
たんぱく質の充足度を示す「血中アルブミン値」が低い人は、
認知機能が低下するリスクが約2倍に上がっていました。
さらに、赤血球が少ない人ではリスクが2.6倍に。
脳も臓器のひとつ。細胞をつくり、維持するには栄養が必要です。
たんぱく質が不足すると、フレイル(虚弱)になりやすく、
それが認知機能の低下にもつながると考えられています。
(Taniguchi Y, et al. Journals of Gerontology Series A: Biomedical Sciences and Medical Sciences. 2014 Oct; 69(10): 1276-1283.)
🌟【調査②】85〜89歳の元気な男女833人を対象にした別の研究では、
たんぱく質を多く摂っていた人ほど、長生きしていたという結果も。
1日のエネルギーのうち、たんぱく質からの割合が高い人は、
最も少ない人に比べて死亡率が56%も低かったのです。
(Kurata H, et al. BMC Geriatrics. 2023 Aug; 23(479).)
🍽たんぱく質は、未来の自分へのプレゼント
筋肉のためだけじゃない。
脳の健康、そして人生の長さにも関わる大切な栄養素。
毎日の食事で、しっかり・おいしく・楽しく、たんぱく質をとりましょう!
◇筋肉づくりは“計算”から始まる たんぱく質の必要量、あなたは足りてる?
筋肉をつくるには、運動だけじゃ足りません。
たんぱく質という“材料”を、しっかり食べることが必要です。
🔍立命館大学の藤田聡教授によると、筋肉の合成を最大限に高めるには、
1回の食事で「体重1kgあたり0.4g」のたんぱく質が目安。
つまり、**1日では「体重1kgあたり1.2g」**が理想的なんです。
たとえば体重60kgの人なら、
1回の食事で約24g、1日で約72gのたんぱく質が必要になります。
👴さらに、年齢によって必要量は変わります。
若い人(22歳まで)は、1回の食事で「体重1kgあたり0.24g」でOK。
でも、71歳までの人は「0.4g」必要。
これは、年齢とともに“筋肉スイッチ”が鈍くなるため、
より多くのたんぱく質でしっかり刺激する必要があるんです。
( Moore DR, et al. Journals of Gerontology Series A: Biological Sciences and Medical Sciences. 2015 Jan; 70(1): 57-62. )

💡「年齢を重ねたら、“たんぱく質貯金”を増やそう!」
筋肉は、未来の自分を支える“資産”。
そのためには、毎日の食事でコツコツたんぱく質を積み立てることが大切です。
藤田教授の推奨をもとにした体重別のたんぱく質摂取量の目安を、わかりやすく一覧にまとめました。

ただし、必要なたんぱく質摂取量は身体活動量によっても異なります。表で示した「体重1kg当たり、毎日1.2g」というたんぱく質摂取量はデスクワーク中心の人の場合。運動をしているなど1日の活動量が多い人は、これよりもっとたんぱく質をとる必要があります。
普段運動をしている人は、毎日、体重1kg当たり1.3~2gくらいずつとるのがよいと思われます。
ポイント解説
• 40代以上の方は“老年者モデル”で考えるのが◎
→ 筋肉の合成スイッチが鈍くなるため、若い人より多めにたんぱく質が必要です。
• 1食でしっかり摂ることがカギ!
→ 1日トータルではなく、1回の食事ごとに必要量を意識することが大切です。
• たんぱく質は“未来の自分”への投資
→ 筋肉だけでなく、認知機能や健康寿命にも関わる重要な栄養素です。













































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