102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.566

コレステロールと中性脂肪ってどう違うの？⑥

◇運動をしてもLDLコレステロールは下がらない

前回説明した通り、コレステロールは胆汁酸になるくらいしか捨てるところがありません。ですからな、余分なコレステロールは血液の中にあふれ、血管の壁にたまっていきます。

また、中性脂肪と違ってコレステロールは燃料にはならないので、運動ではLDLコレステロール値は下がらないのです。

ただ、糖質と脂質を材料に肝臓でコレステロールを合成するので、運動でこうした材料を消費すればまったく効果がないとは言えませんが、即効性は期待できません。

　一方、中性脂肪が高い人やHDLコレステロールが低い人は運動によって着実に効果が出ますよ。

中性脂肪が減るのは筋肉のエネルギーとして使われるからです。

HDLコレステロールが上がるのは中性脂肪が減るからです。

両者の関係に関するメカニズムは複雑で難しいのでここでは省略します。

要はHDLコレステロールと中性脂肪はシーソーのような拮抗関係にあるといえます。

つまり、HDLコレステロールが減れば中性脂肪が増えるし、HDLが増えれば中性脂肪が減る仕組みになっていると思ってください。

これまでの説明で、コレステロールと中性脂肪、どちらも同じ脂質ですが「仕事」が違うので「対策」も異なるということ、お分かりいただけたでしょうか。

次回からは生活習慣ではコレステロール値が改善しない人の対策や、LDLコレステロールや中性脂肪が増えるとどんなことが起きるのかについて解説していきます。