102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.559
あなたは大丈夫? 加齢とともに低下する噛む力、飲み込む力⑨
◇風船と肋間筋伸ばしで深い呼吸に
前回、猫背になると深呼吸がしづらいため誤嚥しやすくなることを照会しましたので、ここで、呼吸と嚥下(飲み込み)の関係を解説します。
呼吸と飲み込む動作は協調運動なのです。
唐突すが、ビールのCMを思い出してみてください。
俳優が、ゴクゴクとビールで喉を鳴らした後、プハーッと息を吐いているのを観ているでしょう。
普段、呼吸を意識しながらものを飲むことはなかなかないが、意識してみると、飲む前は必ず息を吸い込み、飲んだ後は息を吐き出しているはずなのです。
何かを飲み込んだ後に、息を吸う人はいないんです。
息を吸って空気をためてから飲むのが自然な飲み込み方です。
そのため、猫背の状態で呼吸が浅く、肺に十分な空気をためていないままものを飲み込むのは不自然で、誤嚥のリスクが高まるのです。
そして、呼吸が深ければ、万が一誤嚥したときにも咳を強く出すことができます。
呼吸を深くするためには、呼吸筋を鍛えることが大切です。
有効なのが、風船を膨らませることと、肋間筋伸ばしです。
呼吸を深くするには、何か抵抗のあるものを吹くことが有効です。
最も手軽なのは風船を膨らませること。1日1~2個程度に行うとよいでしょう。
肋間筋とは、肋骨と肋骨の間の筋肉のことです。
呼吸運動に関わってます。
肋間筋伸ばしで肋間筋を柔らかくすることで、呼吸が深くなります。
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