くめちゃんのつぶやき脳No.429
102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座
◇環境ストレスも脳にとっては要注意⑥
前回に続いてストレスについて述べますが、ストレスに大きく関わるホルモンのコルチゾールについて触れないわけにはいきません。
私たちがストレスを受けると、コルチゾールが生成されるが、少量のコルチゾールは必ずしも有害ではなく、むしろいくらかメリットがあります。
しかし、多すぎるコルチゾールは、体重増加から睡眠障害、海馬の萎縮、集中力や記憶力の低下まで、様々な害を及ぼすのです。
また、コルチゾールは、扁桃体を太らせ、その働きを強化する。
扁桃体は脳の深部にあるアーモンド形の器官で、記憶に情動的な意味づけをする。
扁桃体が大きくなり活発に働くようになると、人は恐怖と不安に対して敏感になる。
慢性的なストレスは、もう一つの悪影響を脳にもたらします。
それは白質が増えることだ。
白質は、脳の組織の半分を占める脂質の多い組織で、ニューロンの軸索(神経線維)が走行している。
白質が増えると、灰白質のスペースが狭くなる。
灰白質は、ニューロンの細胞体が集まっている領域で、体、情動、行動、感覚の情報はすべてそこで処理されている。
白質と灰白質のバランスが崩れると、情動と認知の問題が生じることがあり、それらはストレスが消えた後も続く可能性がある。
多くの人はストレスの原因を、精神的に苦しい出来事や仕事上のプレッシャー、お金のやり繰り、子どもや家族の世話といった日常の問題と結びつける。
だが、ストレスは別の形でも生じる。
身体的なストレスは、関節炎、糖尿病、認知症などの病気がきっかけで生じることがあり、高血圧、食生活の乱れ、睡眠不足、慢性的な脱水によっても生じる。働きすぎや、逆に体を動かさないことも、慢性ストレスの原因になる。
さらに私たちは、精神的、情動的、身体的なストレスに加え、環境ストレスにもさらされている。
環境ストレスの問題は、現代社会でますます大きくなっている。食べる物、飲む物、着る物、肌につける物、家庭やオフィスで使う物など、あらゆる物に化学物質が使われているからだ。
呼吸する大気に含まれる汚染物質もストレスを増大させ、脳に害を及ぼし、認知機能の低下や認知障害のリスクを高めているのです。
脳環境科学経皮毒講座で私が伝えていることはこのことです
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