くめちゃんのつぶやき脳No.423
102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座
◇中性脂肪は間接的に動脈硬化を進める
LDLコレステロールが高いタイプは、脂質異常症の中で最も動脈硬化がすすむリスクが高いことが知られています。
一方、中性脂肪が高い場合は、LDLコレステロールが高い場合と比べると血管障害に直接関連があるという報告はありません。
中性脂肪は食事や運動の影響を直接的に受けるので、ライフスタイル次第で上がりやすく、下げやすいという特徴もあります。
しかし、中性脂肪は間接的に動脈硬化を進めて循環器疾患のリスクを上げるので、無視はできません。
実際、空腹時は正常で食後の中性脂肪が高いだけでも循環器疾患(脳卒中や心筋梗塞など)による死亡リスクが上がることが、細菌の研究で確認されています。
間接的な影響の一つに、超悪玉のLDLコレステロールの増加があります。
その理由は、血中を中性脂肪やコレステロールを運ぶため脂のままでは血液に溶けないので運べません。
そこで「リポ蛋白」という血液に溶ける船に乗せる必要があります。
もし、定員の決まった船に中性脂肪がたくさん乗り込むと、小さいコレステロールしか乗れなくなってしまいます。
これが「超悪玉」といわれる「small dense(スモールデンス)LDL」を作るのです。small dense LDLは普通のLDLよりも酸化されやすく、小さいので血管に取り込まれやすく急速に動脈硬化を進めます。
このように中性脂肪が高いのは良くありませんが、もっといけないのはLDLコレステロールが高いことです。
日本人はもともと血清コレステロール値は高くなかったのですが、食生活の欧米化によりどんどん上がってきています。もともと農耕民族なので、たくさん肉を食べる習慣がなかったことと、たくさんのコレステロールを処理する機能が、欧米人と比べて十分でないのかもしれません。
脂質異常症の対策の基本は、食事と運動。コレステロールや飽和脂肪酸のとり過ぎや、暴飲暴食にならないように点検するとともに、中性脂肪が増えないよう、過剰なエネルギー摂取を控え、消費エネルギーを増やす方向で、生活習慣を見直してみましょう。
それでも数値が改善しなければ、ぜひ受診してください。心臓や脳の血管が詰まってからでは、取り返しがつかないのですから。
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