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くめちゃんのつぶやき脳No.412

改めて知る、肝臓とアルコールのこと

少量の飲酒でも疾患のリスクは上がる④

◇日本人の「適量飲酒」量とは?


新年もあけて明けて、オミクロンの猛威が広がってきていますが、これからは何かと飲み会が増えてくる時期。


注意したいのは、コロナ禍で飲酒の機会が減っていて、「酒に弱くなっている人」。


つまり、以前は飲酒によって増えていたMEOSの酵素が誘導されておらず、アルコールの代謝能力が落ちているので、かつてのようには飲めない可能性がある。


ともかく、前回説明したように血中アルコール濃度を急激に上げない飲み方を実践することにつきます。


血中アルコール濃度を急激に上げないためには、空腹で飲まないことが大切です。

空腹で飲むと、アルコールが吸収されやすい小腸にお酒がすぐに到達し、すみやかにアルコールが吸収されて、血中アルコール濃度があっという間に上がります。

胃の中に食べ物があると、アルコールも胃の中にとどまり、吸収をゆっくりにすることができる。


それでは、飲む前にどのようなものを食べておくといいのだろうか。

油分を含む食べ物を先にとっておくと、消化管ホルモンの一種であるコレシストキニンなどが働き、胃の出口となる幽門が閉まります。これによって、胃におけるアルコールの滞留時間が長くなり、悪酔いを防ぐことができます。


ただ、揚げ物ですと衣についた油が多く、中性脂肪の増加につながる恐れがありますから、チーズやドレッシングに油を使ったサラダなどにとどめておくのがお勧めです。


 ほかにお勧めのつまみは、冷ややっこや枝豆、かつおやまぐろの刺身などを選ぶのがよい。

いずれも肝臓でのアルコール代謝を促進する働きがある、たんぱく質やビタミンB類などが豊富なことが理由です。

 

また、酒と一緒にを飲むことでも、血中アルコール濃度の急激な上昇を抑えることができる。

特に、アルコール度数の高い酒を飲むときは、チェイサーとして水を忘れずに飲むようにしてみてはいかがでしょうか。


アルコールの分解能力には個人差があるので、自分なりの「血中アルコール濃度を上げない飲み方」を把握することが大切です。その上で、いったいどれぐらいの量の酒を飲むのが適切なのか。


「Lancet』の論文などで、少量飲酒でも疾患のリスクが上がることが明らかになってきましたが、日本人の『適量飲酒』は、厚生労働省の定めた純アルコールに換算して1日20g(日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本、ワインなら2~3杯)程度であり、これは以前から変わっていません。

また、女性はアルコールの影響をより受けやすいので、その半分から3分の2程度が適量だとされています。


1日20gよりもっと飲みたいのであれば、休肝日を設けるなどして、1週間単位で調整するといいでしょう。

とはいえ、「この量までなら誰でも飲んでいい」という基準は、一律には決められないのです。

人によって体質が違うように、アルコールによってどのような病気のリスクが上がるのかについても、人によって違ってくるからです。


 




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