top of page

くめちゃんのつぶやき脳No.399

◇「むずむず脚症候群」はなぜ起こる?


みなさん、この「むずむず脚症候群」ってご存じでしたか?


むずむず脚症候群は、脚がむずむずする、うずく、ほてる、かゆいなどの症状のため脚をじっとしていられず、脚を動かしたくなる病気です((日本神経治療学会治療指針作成委員会編集「標準的神経治療:Restless legs症候群)。


脚を安静にしていられないことから、欧米では「レストレスレッグス症候群(Restless legs syndrome)」と呼ばれているようです。


夜間やリラックスしているときに出やすく、動かすと楽になるという特徴があるようです。

このために睡眠が妨げられ、不眠症にもつながります。






さて、この「むずむず脚症候群」に関する問題です。

夜間にむずがゆいような違和感が脚に生じ、不眠の原因にもなる「むずむず脚症候群」の説明として正しいものは、次のうちどれだと考えますか?


(1)緊張が続いているときに症状が出やすい

(2)明け方になると症状が強くなる

(3)男性よりも女性に起こりやすい


解説

まず、むずむず脚症候群はなぜ起こるのか。


その原因は脳の鉄欠乏にあると指摘するのは、この病気に詳しい久米クリニック院長の久米明人先生です。

久米先生は「脳で鉄が欠乏すると、脳で分泌されるドパミンというホルモンの日中の産生量が増加、一方、夜間にはドパミン産生が少なくなるので、むずむず脚症候群の患者さんは産生量の差が激しくなります。

ドパミンには余計な感覚や興奮を脊髄でブロックする役割がありますが、その作用が日中と比べて夜間に急に弱まるために、ささいな感覚でも大きく感じられ、脚の違和感で脚を動かさずにいられない衝動にかられる」と。


 脳の鉄が不足する背景には、体質が関係しています。

通常、食物から摂取した鉄は消化管で吸収され、血中から脳に取り込まれます。


そのプロセスに個人差があり、健康診断では貧血に該当しないのに、脳に鉄が入り込みにくいタイプの人がいるとのこと。


この体質は親から子へと遺伝しやすいことが知られています。

なお、ドパミンは明け方から増え始めることが明らかになっており、むずむずする症状は朝の5時半ころから消えることが分かっています。


むずむず脚症候群は日本人の1~4%に見られ(*1)、女性の患者が男性の約2倍いるとのこと。

*1 日本神経治療学会治療指針作成委員会編集「標準的神経治療:Restless legs症候群」(p.82)より。


その理由は女性は妊娠中に胎児に鉄分を取られるからだと考えられています。

そのため、出産経験が多い女性ほど発症しやすく、逆に、出産経験のない女性は男性と同じ頻度だとされます。


鉄欠乏性貧血と診断されている人も、脳の鉄も少なくなっているので、むずむず脚症候群になりやすいとのこと。


このほか、むずむず脚症候群は人工透析を受ける人にも多いことが知られています。


 むずむず脚症候群と似た症状が出現する病気には、脊柱管狭窄症や変形性脊椎症などの脊椎の病気、下肢静脈瘤、注意欠如多動性障害(ADHD)などがあります。


脚を動かさずにいられない症状がある場合は、まずは医療機関を受診することを勧めます。


正解は、(3)男性よりも女性に起こりやすい です。

Commentaires


特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page