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くめちゃんのつぶやき脳No.270 ◇近視の人は老眼にならない!

脳と深いつながりのある視力ですが、今回は「近視」と「老眼」について

クイズで学んでいきましょう

「近視の人は老眼にならない」って聞きますが、

これってホント? ウソ?

ちょっと考えてみてください(^^)/

(1)ホント

(2)ウソ

どちらと思いましたか?

正解は「ウソ」です。

40代から50代にかけて始まる「老眼」は、目の調節機能が衰えて、ピントが合う範囲が狭くなっていく老化現象です。

「商品の小さな文字が読めない」「料理がぼやけて見える」など、日常生活に大きな不便を生じさせ、肩こりなどの体の不調や精神的な落ち込みを引き起こすこともあります。

 人間の目のピント調節は、「水晶体」と呼ばれるレンズの周りにある「毛様体筋」という筋肉が、見たいものに合わせてレンズの厚みを変えることで行っています。

何も意識しない状態では、毛様体筋は弛緩していて、遠方のものにピントが合っています。

一方、近くを見ようと意識すると、毛様体筋が緊張してレンズが厚くなり、近くのものにピントが合うのです。

 しかし、毛様体筋は筋肉なので、年をとると衰えて力が弱くなっていきます。

また、水晶体も加齢とともに硬くなり、力が加わっても厚みが変わりにくくなります。

さらに、網膜に映った像のピンボケを修正する脳の機能も衰えていきます。

この3つの現象が重なって、ピントを合わせられる範囲が狭くなっていくのが、老眼というわけです。

人間の目は、近くのものにピントを合わせる方が大きいエネルギーを必要とするため、老眼になると、「近くのものへのピント合わせ」から難しくなっていきます。

では、近視の人の場合はどうなのでしょうか。

巷では「近視の人は老眼にならない」という説も聞かれます。

実は、近視の人はもともとピントが合う範囲が手前にあり、遠くが見えにくく近くが見えやすいという特性があります。

そのため、近視のある人が老眼になってピントが合う範囲が狭くなっても、裸眼であれば、近視のない一般の老眼に比べると近くは見えています(図)。

こうした現象から、「近視の人は老眼にならない」という誤解が生まれたと考えられます。

ただし、近視用の眼鏡やコンタクトレンズで矯正すれば、近視のない人と同じ状態になりますから、老眼によって近くが見えにくくなるというわけ。

近視があって、「手元を見るときは眼鏡を外すようになった」という人は、老眼になっているといえます。

さらに老眼が進めば、裸眼であっても手元のものが見えにくくなっていきます。

近視があろうがなかろうが、残念ながら老眼から逃れることはできないのです。

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