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くめちゃんのつぶやき脳No.266 ◇あまり笑わない人の死亡リスクは  高くなる?

声を出して笑う機会が少ない人は、週に1回以上声を出して笑う人に比べ、死亡と心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞、狭心症など)のリスクが約2倍になるとの報告が日本の中高年1万7000人を対象にした疫学研究で示されていますので紹介します。

これまでポジティブな気分が病気を遠ざけることを示す研究は行われてきていますが、今回の報告はポジティブな気分が、死亡と心血管疾患のリスクの低下に関係すること、抑うつ、不安、心理的苦痛などが、冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症など)や脳血管疾患(脳卒中など)のリスク上昇に関係することを示しています。

また、のんきで楽天的、日常的に笑う機会が多く、外向的であることが、長寿に関係するという報告もあります。

 今回、山形大学医学部教授の櫻田香氏らは、同学部が行っている分子疫学研究「山形スタディ」に参加した人々を対象に、笑う頻度と、その後の「あらゆる原因による死亡」および「心血管疾患の発症または心血管疾患による死亡(これらをまとめて『心血管イベント』と定義)」の関係を調べています。

 山形スタディは、山形県内の7つの市に住む40歳以上の男女で、年1回の健康診断を受けていた人々を対象に、1万7000人を追跡調査、平均で5.4年、最長8年追跡してます。

 登録時点で、健康状態、飲酒、喫煙、運動習慣、学歴、配偶者の有無、過去1年間に経験した精神的ストレスの強さ、社会参加の頻度などの情報を得るとともに、声を出して笑う(以下、「笑う」と略)機会がどのくらいあるかを聞き取り調査を実施。その解答に基づき、「週に1回以上」、「月に1回以上週に1回未満」、「月に1回未満」の3群に分けて実施。

 登録時点で収集された情報がそろっており、追跡を完了できた1万7152人を分析対象にしました(男性7003人、女性1万149人、平均年齢62.8歳)。

その結果、 全体の82.2%が、週に1回以上笑っていました。

笑う頻度が月に1回以上週1回未満の人は全体の14.5%で、月に1回未

満は3.3%にとどまりました。

笑う頻度が低かったグループには男性が多く、喫煙者や、糖尿病患者が多く、配偶者がいない人、運動しない人が多く見られました。

 研究者たちは、これら3群の人々の、あらゆる原因による死亡と、心血管イベントのリスクを比較。

笑う頻度が週1回以上の集団を比較対象群として、月1回以上週1回未満群と、月に1回未満群の死亡と心血管イベントのリスクを推定したところ、笑う頻度が月1回未満の人々は、あらゆる原因による死亡リスクが1.95倍になっていた

ただし、月1回以上週1回未満群のリスクは、比較対象群との間に有意差は認められなかった。

 心血管イベントのリスクは、月1回以上週1回未満群で1.62倍になっていました。

 日本人を対象とした今回の研究で、笑う頻度が低いことは、死亡と心血管イベントの危険因子であることが示されたとのこと。

私は、長年の研究経験から「顔の表情はの表情」と考えており、そのことを最初の著書「顔に笑顔心とおへそに太陽を!」に書きました。

顔の表情が豊かで笑顔にあふれている人の脳は概して若いということが言えます。

今回の論文で指摘するよく笑う人はあまり笑わない人に比べて心血管リスクや死亡率が低いという結果はうなずけます(^_-)-☆

あまり笑う機会がないという方は、日々声を出して笑うことを意識して習慣化してみてはいかがでしょうか。

「笑顔は健康長寿を運んでくる」ですね。

原著論文はこちら

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StartFragmentSakurada K, et al. J Epidemiol. 2019 Apr 6. doi: 10.2188/jea.JE20180249.EndFragment

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