くめちゃんのつぶやき脳No.251 ◇風邪には、ビタミンCよりビタミンDが有効?
冬から春にかわるこの時期の気候は寒暖が日ごと目まぐるしく変わりますが、この季節に気を付けたい「風邪」を予防するには一般に「ビタミンC」がいいといわます。
でも、実は「ビタミンD」のほうがいいという話も聞きます。
これってホント? ウソ?
(1)ホント
(2)ウソ
「風邪予防には〇〇がいい」などという話は多くあります。
食べ物(栄養)では、一般に「ビタミンC」が風邪にいいといわれています。
しかし、エビデンス(科学的根拠)から見ると、風邪にはビタミンCよりもビタミンDの方が有効だと言えます。
実は、ビタミンCが風邪に効くかという研究は長年行われてきましたが、結果が一致しておらず、結論は出ていません。
一方、ビタミンDは風邪、インフルエンザ、肺炎など呼吸器感染症の予防に役立つというエビデンスがあります(*1)。
ビタミンDは、「サンシャイン・ビタミン」などと呼ばれることがあるように、日光に当たると体内でビタミンDが作られます。
1日に必要なビタミンDを合成するために必要な日光浴の時間は、冬の関東であれば1日22分程度になります。
また、「睡眠不足が続くと風邪を引きやすい」という話を聞いたことがある人もいるでしょう。
これも決して気のせいではありません。実際、睡眠不足は免疫力を落とし、風邪のウイルスに感染しやすくなります。
164人のボランティアを集めて行われた米国の研究によると、1日の睡眠時間が7時間以上の人に比べて、5時間未満の人が風邪にかかるリスクは4.5倍、5~6時間の人は4.2倍も上がります(*2)。
風邪を引きたくなければ、しっかり睡眠時間を確保することが大切です。
なお、風邪の引き始めには、軽い運動がお勧めです。
軽い運動は免疫力を上げるので、初期の風邪ならそれだけで治ることもあります。
ただし、激しい運動は避け、軽めの運動をしてください。
私は普段は1時間ほど歩くのですが、風邪の引き始めは10分ほどで切り上げます。これが割と効果があります。
ただし、高熱が出たり、咳き込んでいたり、だるいときに運動するのは避けてください。
*1 BMJ. 2017;356:i6583. *2 Sleep. 2015;38(9):1353-9.