くめちゃんのつぶやき脳 No.225 ◇肉を多く食べる男性の大腸がんリスク1.3倍以上:高山スタディ
前回に続いて肉摂取とがんリスクに関する記事です。
肉を多く食べる男性は、そうでない人と比べて、大腸がんの発症リスクが有意に高いことが、岐阜大学の和田 恵子氏らによる研究で明らかになった。
肉を多く食べ過ぎないことが、大腸がんの発症抑制につながるかもしれないと結論している。 日本人における肉の消費と大腸がんに関するエビデンスは、欧米人のそれと比較して限られている。
そのため著者らは、日本において集団ベースの前向きコホート研究を実施し、食肉の消費と大腸がんリスクの関連について評価した。 対象は、1992年9月時点で35歳以上の男性1万3,957人、女性1万6,374人。食肉の消費は、食物摂取頻度調査票を用いて評価した。大腸がんの発症率は、地域集団ベースのがんレジストリおよび2つの主要病院で実施された大腸内視鏡検査における組織学的同定により調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・1992年9月~2008年3月までに、男性429人、女性343人が大腸がんを発症した。 ・男性の総食肉摂取量および赤肉摂取量の多い群は、低摂取群と比較 して大腸がんの相対リスクが有意に上昇した。 ・男性の加工肉の摂取と結腸がんリスクとの間でも摂取量増加に伴 い、結腸がんリスクも増加傾向にあった。 ・女性の大腸がんと食肉消費との間には有意な関連は認められなかっ た。
コメント
赤肉摂取量とがん発症リスクの関係に関しては、日本人の平均摂取量では問題なしとする前回紹介した報告もあり、まだ明確でない。
肉好きの方には迷うところですが、現時点では要は「食べ過ぎないこと」が大切ということか。
原著論文はこちら☟
Wada K, et al. Cancer Sci. 2017 Mar 3. [Epub ahead of print]