top of page

くめちゃんのつぶやき脳 No.176 ◇高齢女性では1日4,400歩でも死亡率は  低下、歩行強度との関連性なし

一般的に健康のためには1日1万歩を目標に歩くことが良いとされてきました。

しかし、この歩数の科学的根拠は少ないのです。

さらに、歩数だけでなく歩行強度が強いほど結構に良いともいわれてきていますが、この根拠も実はあまり分かっていません。

今回、ハーバード大学医学大学院のI-Min Leeらの研究の結果、高齢女性において、1日約4,400歩という少ない歩数でも、1日約2,700歩のグループに比べ、全死亡率が41%低いことが示されたとの報告がありましたので紹介します。

また、報告では1日当たりの歩数の増加につれて全死亡率は減少するが、1日約7,500歩を超えるとそれ以上の減少は認められなかったとのこと。

さらに、歩行強度については、1日の総歩数を考慮すると全死亡率低下との間で明らかな関連は認められなかったとのことです。

本研究は、米国のWomen‘s Health Studyにおいて、2011~15年に7日間、覚醒時間中に加速度計を装着することに同意した1万8,289人の米国人女性が参加して実施された。

1万7,708人が装着してデバイスを返却した(1万7,466デバイスからデータが正常にダウンロード)。

そのうち、1日10時間以上、4日間以上装着していた1万6,741人のデータを用いて、1日当たり歩数および歩行強度の尺度(1分間ケイデンスピーク、30分間ケイデンスピーク、5分間ケイデンス最大、40歩/分以上での歩行時間)と全死亡率の関連を調べている。

その結果は

・選択基準を満たした1万6,741人の女性の平均年齢は72.0歳であっ  た。

・平均歩数は1日5,499歩で、歩行強度別の時間の割合では、1分当た  り0歩が51.4%、1~39歩が45.5%、40歩以上(意図的な歩行)が  3.1%であった。

・平均4.3年の追跡調査期間中に、504人が死亡した。

・統計解析の結果、最も多かった1日当たり歩数(中央値)は、  2,718、次いで4,363、5,905、8,442の順となった。

・また、1日当たり平均歩数が増えるにつれて死亡率が減少したが、  1日約7,500歩以降は変化が見られなくなった。

・歩行強度については、強度が強いほど全死亡率が有意に低くなった  が、1日当たり歩数で調整すると関連性は低く、ほとんど有意な差  は認めれなくなった。

今回は高齢女性が対象の研究であったが、男性でもおそらく同じような傾向になるのではと推測されます。

大切なのは歩数にこだわらず高齢者は楽しみながら積極的に戸外に出る意欲を失わにことが肝心なのではないでしょうか。

原著論文はこちら

Lee IM, et al. JAMA Intern Med. 2019 May 29.[Epub ahead of print]

特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page