くめちゃんのつぶやき脳 No.172 ◇母親の体格がADHD、自閉症リスクと 関連か??
妊娠前の母親の肥満などの環境的要因が生まれてくる子供のADHDや自閉スペクトラム症(ASD)のリスクを、高めている可能性を指摘する気になる論文がありましたので紹介します。
これらの関連を調査したこれまでの研究では、異なる見解が得られている。
デンマーク・オーフス大学病院のChristina Hebsgaard Andersen氏らは、これらの関連をさらに調査するためADHD、ASDおよびADHDとASDが併存した小児における大規模出生コホートを行った。 対象は、デンマーク国民出生コホート(DNBC:Danish National Birth Cohort)に参加している母子8万1,892人。
妊娠前の体重および身長に関する情報は、妊娠16週目に収集し、BMIに基づき分類し、分析した。ADHD、ASDまたは併存の臨床診断を受けた小児は、デンマークヘルスレジストリにおいて平均年齢13.3歳で確認された。 主な結果は以下のとおり。 ・正常体重の母親と比較し、過体重、肥満、重度の肥満の母親は、 ADHD児を有するリスクが有意に増加した。
・ADHDとASDが併存した患者でも、同様なパターンが認められた。
・ASDに関しては、低体重および肥満の母親で、リスク増加が認めら
れた。
・また、ADHDにおける関連は、主に過活動グループに起因する可能 性があることが明らかとなった。 著者らは「妊娠前の母親の肥満は、小児ADHDの危険因子である。また、母親の肥満および低体重は、ASDリスク増加と関連している可能性がある」としている。
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原著論文はこちら
Andersen CH, et al. Eur Child Adolesc Psychiatry. 2017 Jul 15. [Epub ahead of print]
コメント
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この論文をみて私が伝えている「経皮毒」に関連して気になったことがあります。
主に経皮吸収やその他の経路で体内に取り込んだ環境化学物質は体内では皮下の脂肪組織や脂肪細胞に溶け込んで蓄積されていきます。
妊娠すると母体は胎児への栄養補給として皮下脂肪を分解して胎児に与えていくことになります。
胎児の体内に取り込まれた母体由来の環境化学物質は胎児の一番脂っぽい組織移行することになります
胎児時期には皮下脂肪が形成されていませんので、いちばん脂溶性に富んだ組織は脳ということになります。
胎児脳の神経回路の設計図ができる大切な時期(遺伝子発現)に母体をとおして環境化学物質に曝露されると、設計図に影響を与える可能性は十分にあります。
設計図に微小欠陥を受けた胎児は、のその後の人生に大きな影響を受けるとことになるのです。
この論文では、環境要因として肥満との関係を論じているのですが、気になるのは皮下脂肪にため込んだ環境化学物質は肥満度が高いほど多いということになります。
乱暴な言い方になりますが、しいて言うなら脂肪組織は有害化学物質が全身にばらまかれないようにするための「ごみ箱」ともいえるのです。
近年増加の一途をたどる子供たちの異常行動、いじめ、差別、そして大人による幼児虐待などの悲惨な事例の根本原因は同じ延長線上にあると感じてなりません。
子供たちの脳を環境化学物質から守るために、なんとしても脳環境科学経皮毒の情報を、多くの女性たちに届けたいと願うばかりです。
令和の時代に経皮毒の正しい知識がさらに多くの人に広がり、社会の常識となるまで伝え続けていきます。