くめちゃんのつぶやき脳No.121 ◇シャワーヘッドは病原菌の温床の恐れが??
ご家庭で使用のシャワーは、毎日欠かせないアイテムですが、シャワーヘッドが病原菌の巣になっているとのショッキングな研究報告がありましたので紹介します。
シャワーによって汗やからだに付着した埃や病原菌を洗い流せて、からだを清潔に保つことができると信じている人は多いだろう。
実際、シャワーを浴びて心身ともにリフレッシュできます。
ところが、シャワーヘッドには病原菌が潜んでおり、それを身体に浴びることで肺の感染症を発症してしまう可能性があることの、ショッキングな研究結果が報告されました。
研究は米コロラド大学のMatthew Gebert らによって、米国や欧州における656家庭で使用されているシャワーヘッドを対象に調査。
その結果、各家庭のシャワーヘッドには大量の細菌が確認されています。
その細菌の種類は地域や水質、水源によって異なっていたという。
また、水道など塩素系消毒剤で消毒した水を使用している家庭では、特定の細菌の濃度が高くなっているとのこと。
怖いことに、シャワーヘッドに抗酸菌(マイコバクテリウム属)という細菌が大量に見つかった米国や欧州の一部地域では、抗酸菌が肺に感染して引き起こす肺非結核性抗酸菌症患者が多いことを明らかにしています。
論文の著者らはこれらの結果から、「私たちは無数の細菌とともに、菌にまみれている環境で生活している状態であり、中でもシャワーヘッドに存在する細菌には地理的な偏りがあること、そして、シャワーヘッドに細菌が存在するかどうかには水源や水質も深く関わっていることが分かった」と述べています。
細菌はシャワーヘッドや配水システムの中で繁殖しますが、そのほとんどはヒトには無害だとされてきました。
しかし、一部の細菌は肺感染症の原因になる場合があることが示唆されました。
ただし、著者らは「自分の家のシャワーヘッドに抗酸菌が存在していても、病気になったり肺感染症を発症しやすいわけではない」と強調し、シャワーヘッドを毎日掃除したり、シャワー習慣を変えたりする必要はないとも述べています。
専門家の一人で米ニューヨーク大学ランゴン医療センター内科のMarc Siegel教授によると、「細菌はシャワーヘッドのような湿った環境で繁殖しやすいのは事実で、この報告によれば、シャワーヘッドを掃除する必要があるだろうと」指摘している。ただし、実際には、極端に免疫力が低下している人や慢性疾患の患者などを除けば、抗酸菌に曝露しても病気になることはほとんどないとも説明している。 また、シャワーヘッドを掃除する際には、アンモニアを含有する消毒剤を用いて1~2週間に1回程度行うことを推奨している。
なお、細菌はシャワーヘッドだけでなく歯ブラシやシンクなど湿った場所であればどこでも存在する可能性があるとして注意を呼び掛けてもいます。
シャワーのホースがカビなどで点々と黒いシミが見えるような状況になっていたらシャワーヘッドは間違いなくそれ以上に細菌が繁殖していると考えたほうが良いでしょうね。
原著論文はこちら
Gebert MJ, et al. MBio. 2018 Oct 30;9(5).