くめちゃんのつぶやき脳 No.87 脱水症は脳梗塞や肺炎の原因にもなる、健康長寿の大敵④
◇慢性の脱水症が引き起こす7つの病気・不調②
3. 膀胱炎・尿路結石 ⇒ 尿量が減って細菌や老廃物を押し出しにくくなる
腎臓は常に尿を作って、老廃物と一緒に、尿管を通して膀胱へと送り続けている。体液が減って脱水状態になると、尿の量も減るため、尿の流れが悪くなり、外から入ってきた細菌や、腎臓が排出した老廃物を外へと押し流す力が低下してしまう。また、尿の量が減ると尿が濃縮されるため、老廃物が結晶化しやすくなる。
生活排水は、常に流していないと排水溝にゴミがつまりやすくなります。
それと同じように、尿管に一定の流れがないと、膀胱炎などの尿路感染症や、結石などの問題が起こりやすくなる。
4. 認知機能や集中力の低下 ⇒ 認知症と間違われることも
体液が不足すると血液が少なくなり、脳へ血液が回りにくくなる。頭痛、倦怠感、眠気などの症状が起こりやすく、認知機能や集中力が低下する。認知機能が衰えると、水分補給を忘れてしまい、より脱水が進む危険がある。
高齢者では、言動がおかしくなって認知症を疑われた人が、適切な水分補給をしただけで正常に戻ることがあります。
若い人でも、脱水症は集中力を低下させ、仕事、勉強、スポーツなどのパフォーマンスが低下します。仕事で良いパフォーマンスを引き出すためにも、脱水予防は欠かせない。
5. めまい・立ちくらみ ⇒ 転倒による骨折に直結しやすい
脳へ血液が回りにくいと、めまいや立ちくらみの原因にもなる。
高齢者が、朝起きた直後に立ちくらみで転倒すれば、骨折から寝たきりになることもあります。脳梗塞も同様ですが、朝は脱水症になりやすく、起床後の転倒は要注意。
6. 口臭・歯周病 ⇒ だ液の減少が口臭を招く
水分が足りないと、だ液の量も減ってしまう。その結果、口が渇いて口臭の原因となり、細菌が長く口の中にとどまることで歯周病の原因にもなる。
7. 夏バテ・食欲低下 ⇒ 二日酔いは脱水症そのもの!
消化器は水分を多く必要とするため、水分が足りなくなると働きが悪くなり、吐き気、食欲低下などが起こってくる。だ液が減って、味を感じにくくなることも食欲低下につながってくる。
前述したように、食物には多くの水分が含まれている。食欲低下は水分摂取の低下を招き、それが脱水症を進めるという悪循環に陥ってしまう。
倦怠感や食欲低下などに代表される夏バテは、実は脱水症が原因のことが多いのです。
また、アルコールには利尿作用があり、二日酔いの症状は脱水症そのものともいえる(*)
* 二日酔いには脱水のほか、アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドによる作用なども関係している。