くめちゃんのつぶやき脳 No.45 ◇減量効果は同居するパートナーにも及ぶ??
同居するカップルの一方が減量にチャレンジすると、その減量効果は同居の痩せようとしていないパートナーにも波及する可能性があるとの論文が報告されました。
実験は同居する130組のカップルを対象に、一方に減量プログラムまたは体重の自己管理を6カ月間行ってもらったところ、特に減量していないパートナーの3分の1で体重が3%以上減少したことが分かった。
この研究には、減量プログラムに参加する群(65組)または体重を自己管理する群(65組)にランダムに割り付けて、カップルのうち一方だけに減量を行ってもらい、6カ月間追跡した。 参加者の年齢は25~70歳、BMIは減量する人は27~40、減量しない同居パートナーは25以上とした。
なお、減量プログラムの参加者は専門家と対面でミーティングを受けることができ、オンラインツールの無償提供も受けた。一方の自己管理群の参加者には減量に関する資料を配布し、体重を自分で管理してもらった。
その結果、特に減量していないパートナーでも、3カ月後には減量プログラム群で-1.5±2.9kg、自己管理群で-1.1±3.3kg、6カ月後にはそれぞれ-2.2±4.2kg、-1.9±3.6kgの減量に成功した。
こうしたパートナーの32%が6カ月後には3%以上の減量を達成していた。
また、減量を行った参加者は3カ月後には減量プログラム群で-3.4±3.8kg、自己管理群で-2.0±3.2kg、6カ月後にはそれぞれ-4.3±5.1kg、-3.1±4.3kgの減量に成功した。 さらに、カップルの減量効果は互いに影響し合っており、カップルのうち一方が安定して減量するとそのパートナーも同じように減量したが、一方が減量に苦しんでいるとパートナーの減量幅も小さくなるといった傾向がみられたとのこと。
この報告には、否定的な意見もあるが、特定の減量方法による効果よりも、減量を目指すパートナーに合わせようと同居者が自身の行動を変えたことがカップル単位での減量につながった可能性が推察される。
原著論文はこちら
Gorin AA, et al. Obesity (Silver Spring). 2018 Feb 1. [Epub ahead of print]