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くめちゃんのつぶやき脳 No.29

◇「風邪による咳に効く薬はない」 米学会報告

しつこい咳を抑える風邪薬を探し求めている人に、残念なニュースがでました。

市販されているさまざまな咳止めの薬から米国で「風邪に効く」とされているチキンスープといった民間療法まで、あらゆる治療法に関して米国胸部医学会(ACCP)の専門家委員会が文献調査の結果、効果を裏付ける質の高いエビデンスがある治療法は一つもなかったという。

これに基づき同委員会は指針をまとめ、「風邪による咳を抑えるために市販の咳止めや風邪薬を飲むことは推奨されない」との見解を示しています。  この調査はACCP専門家委員会の報告書として「Chest」11月号に掲載されました。

 今回、同氏らはさまざまな咳に対する治療法の効果を検証し結果、抗ヒスタミン薬や鎮痛薬、鼻粘膜の充血を緩和する成分が含まれる風邪薬に効果があることを示す一貫したエビデンスはなかった。

また、ナプロキセンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の試験データの分析からも、これらの効果を裏付けるエビデンスはないことが分かったとしています。  では、眠れないほどつらい咳にはどう対処すればよいのだろうか。

ACCPによれば、1歳以上の小児に対しては蜂蜜にある程度の効果があることを示した複数の研究があるという。ただし、1歳未満の小児に蜂蜜は与えるべきではないとしている。  また、成人の咳には亜鉛トローチが有効であるとの弱いエビデンスがあるが、使用を推奨するには不十分で、亜鉛には副作用もあるため注意が必要だとしている。このほか、チキンスープやネティポット(鼻洗浄)といった民間療法についても強いエビデンスはなかった。  ただし、「お気に入りのお茶やスープを飲んで気分が良くなるなら、そうするべき」としています。

また、市販の風邪薬を試す場合、医師や薬剤師に相談することが望ましく、特に2歳未満の小児に薬を飲ませる場合にはかかりつけの小児科医に相談すべきだとしている。

さらに、市販されている風邪薬には眠気などの副作用があることに加え、咳止めのシロップに含まれていることの多いデキストロメトルファンには乱用リスクがある点についても注意が必要だという。  米国立ユダヤ医療研究センターのDavid Beuther氏は「風邪による咳は睡眠やQOL(生活の質)に影響することもある」とした上で、「そんな時は手っ取り早い方法を求めがちだが、休暇を取って安静にすることも必要だ」と助言しています。

水分摂取も咳の原因となる粘液を洗い流すのに有効だという。  なお、頻繁に風邪をひく場合や咳が長引く場合は軽度の喘息や慢性副鼻腔炎などの疾患が隠れている可能性もあるため、医師に相談した方がよいとしている。

原著論文はこちら

Malesker MA, et al. Chest. 2017; 152: 1021-1037.

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