腹部の脂肪が増加するとがんリスクが高まる!
過剰な脂肪が一部のがんリスクが上昇することが知られていますが、実は脂肪量だけでなく、その脂肪がどこにつくかの場所が重要であるという研究結果が報告されました。 国際がん研究機関(IARC)のHeinz Freisling氏は、「過剰な腹部脂肪は世界共通の指標であるBMI(体格指数)と同じくらい、肥満関連のがんリスクを示す指標になる」と。
今回の研究は、体型によるリスクに対する理解をさらに深めるものになりました。
がんリスクを検討する際に生物学的な指標による影響をより明確に示すためには、
BMI以外の因子についても調べることが重要だと考えられるようです。 今回の研究では、平均年齢62~63歳の計4万3,000人を追跡調査した7件の研究結果を分析している。
中央値12年間の追跡期間中に、1,600人超が肥満関連のがんと診断されてます。 分析の結果、腹囲(ウエスト周囲長)が1標準偏差(SD)増大するごとに肥満関連のがんリスクは13%上昇していた。
同様に、臀囲(ヒップ周囲長)が増大すると9%上昇し、ウエスト・ヒップ比が大きくなると15%上昇していた。
ただし、この結果は過剰な腹部脂肪ががんリスクを高めると証明するものではないとしている。 過体重や肥満は、予防可能ながんの原因としては喫煙に次ぐ因子であり、大腸がん、乳がん、膵臓がんなど13種類のがんと関連している。
がんの専門家である英Cancer Research UKのJulie Sharp氏は、がんリスクを減らす方法について、人々に知らせることが重要であると。
健康体重の維持は、がんのリスク低減に利益をもたらす可能性があり、他にも多くの恩恵が得られると話している。
適正なウェイトコントロールに気を配ることの大切さを示す結果と言えます
原著論文はこちら
Freisling H, et al. Br J Cancer. 2017 May 23;116(11):1486-1497.