認知症リスクが低い飲酒量、高い飲酒量
これまで、適量の飲酒は認知症予防効果があるが、過度の飲酒はむしろリスクを増加させる可能性があると指摘されてきました。
しかし、これらの知見については研究方法がさまざまであることや標準的定義がないことから、解釈には慎重を要します。
今回、中国海洋大学のWei Xu氏らが前向き試験のメタ解析で、アルコール摂取量と認知症リスクとの量-反応関係を検討し、結果が報告されましたので紹介します。
報告では、1日当たりのアルコール摂取量が12.5g*以下であれば認知症発症リスク低下につながること、さらに、6gでは最もリスクが低くなることが判明しました。
逆に38g以上ではリスクが高まる可能性があると報告しています。
*アルコール12.5gの目安:ビール(5%)約310mL、日本酒(15%)約100mL、ワイン(14%)約110mL
本研究では、電子データベースの系統的検索によって、参加者7万3,330人とすべての認知症(All-Cause Dementia、以下ACD)4,586症例を含む11研究、参加者5万2,715人とアルツハイマー型認知症1,267症例を含む5研究、参加者4万9,535人と血管性認知症542例を含む4研究を対象にしています。 主な結果は以下のとおり。 ・アルコール摂取量と認知症リスクとの間に有意な関係を認められた。
・認知症リスク低下に関連するアルコール摂取量は最大12.5g/日までで、
約6g/日でリスクが最も低くなった。
・アルコール摂取量が23杯/週もしくは38g/日を上回ると、認知症リスクは
上昇(約10%)するようであった。
・認知症に関するアルコールの影響は60歳未満でより大きい可能性がある
ことが示された。
私も早速、飲酒に関しては慎重に対応したいと思います(^_-)-☆
原著論文はこちら
Xu W, et al. Eur J Epidemiol. 2017 Jan 17. [Epub ahead of print]