加齢で老化が進むほど脳は委縮する
加齢に伴って、老化が進むと脳の委縮がみられ、隙間(黒い部分)の面積が拡大されてきます。
脳は体積が大きければ大きいほど、認識力や判断力などの高次認知機能が高いとされています。
ですから、若い人の脳のいっぱい詰まった時期は、一生のうちで最も脳の成熟次期といえます。
脳の老化による委縮の進展度は、標準的な数字はりますが、その進み方には個人差が大きいのです。
実は、60代でもぎっしる詰まった脳の人もいれば、40代で隙間だらけの人もいます。
この委縮の個人差が、じつは将来的に認知症になりうるか否かの、リスクの大小を見分ける決め手にもなるのです。
ただ、脳という臓器はとてもうまくできていて、仮に委縮が始まってもそれを補完するように神経ネットワークを張り巡らせていきます。
ですから、脳が委縮してもそう簡単には認知機能が下がることはありません。
最近では、脳に適度な刺激を与え続けることで、高齢になっても認知機能を維持することさえ可能であることが明らかにされています。
つまり、脳は使えば使うほど、考えれば考えるほどネットワークシステムが充実してくるのです。
この、脳の委縮を補完する機能も高く維持され、認知機能も落ちにくくなります。
ですから、結果的には認知症になりにくいということになります。