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102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.676

  • 15 時間前
  • 読了時間: 4分

「畑の肉」を超える力──発酵が引き出す“大豆の真価⑦

◇発酵が大豆を“別物”に変える──動脈硬化を遠ざける可能性


発酵させた大豆には、ただの大豆とはまったく違う力が宿ることが、いくつもの研究から見えてきています。徳島県の成人男性652人を対象にした調査では、発酵大豆製品をよく食べる人ほど、動脈硬化の指標(baPWV値)が有意に低いという結果が出ました。一方で、発酵していない大豆製品では、この関連は見られませんでした。


発酵の過程で大豆の硬い構造がほぐれ、栄養素や機能性成分が吸収されやすくなること、さらに抗酸化作用が高まることが、この差につながっていると考えられています。「同じ大豆なのに、体の中での働きがこんなに変わるのか」と思わずうなってしまうほどの違いです。



大豆をよく食べる人は“インスリン抵抗性”が低いという事実

徳島県の成人男女1148人を対象にした別の研究では、大豆製品を多く食べる人ほどインスリン抵抗性が低いことが明らかになりました。


インスリン抵抗性が高い状態とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンに細胞が反応しにくくなり、血糖値が下がりづらくなる状態のこと。

この状態が続くと、2型糖尿病のリスクが高まります。そして、糖尿病による高血糖が長く続くと、血管が傷つきやすくなり、全身の臓器に悪影響が及びます。

つまり、大豆を日常的にとることは、血糖コントロールの面から見ても、血管を守る大きな味方になりうるということです。



大豆は“単体”より“まるごと”が効く──相乗効果がインスリン抵抗性を動かす


大豆に含まれるたんぱく質やイソフラボンだけを取り出した場合よりも、大豆製品として食べたほうがインスリン抵抗性との関連がはっきり現れることが、同じ研究で示されています。


これは、大豆製品の中に含まれる多様な成分が、互いに助け合うように働いている可能性を示唆しています。まるで“チーム戦”のように、単独では出せない力を引き出しているイメージです。


大豆製品を日々の食事に取り入れることは、インスリン抵抗性の改善という観点から見ても、とても大切な習慣だと言えます。血糖コントロールの土台を整え、将来の健康リスクを遠ざけるための、シンプルで続けやすい一歩です。


イソフラボンは“食べ物なら安心、サプリは慎重に”──過剰摂取の境界線を知る

大豆製品として食べる範囲であれば、通常の食事量でイソフラボンが過剰になる心配はほとんどないとされています。豆腐や納豆、味噌、豆乳などを日々の食卓に取り入れる程度では、体に悪影響が出る可能性は極めて低く、むしろ健康に寄与する側面が大きいと考えられています。

一方で、注意したいのがイソフラボンを高濃度に濃縮したサプリメントです。イソフラボンにはエストロゲンに似た作用があるため、サプリメントで大量に摂取すると、ホルモンバランスに影響を及ぼす可能性があります。

•   子宮内膜症のリスク上昇の可能性

•   乳がんリスクへの影響の可能性

•   甲状腺ホルモンの合成を妨げる可能性


こうした点を踏まえ、中本先生は「サプリメントはパッケージに記載された適切な摂取量を守ることが大切」と指摘しています。食品としての大豆は“自然のバランス”の中で成分が働きますが、サプリは特定成分を一気に押し上げるため、慎重さが必要になるということです。



食べ物としての大豆は“安心して続けられる味方”

大豆製品は、たんぱく質、イソフラボン、食物繊維、サポニンなど、多様な成分が互いに補い合うように働きます。だからこそ、食品としての大豆は安全性が高く、健康効果も期待しやすいのです。

•   毎日の味噌汁

•   納豆を週に数回

•   豆腐を料理に取り入れる

•   豆乳を飲む

こうした“ふだんの食事”の中での摂取は、過剰摂取の心配をせずに続けられる、安心で現実的な健康習慣です。



また、厚生労働省によれば、妊婦や授乳中の人、子どもなどは、日常的な食生活に上乗せしてイソフラボンを摂取することは推奨されていない。特定の疾患を持つ人や、すでに薬を服用している人も、医師や薬剤師に相談することが望ましいだろう。


                                                                         完

 
 
 

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​代表 薬学博士 竹内 久米司

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