102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.614
- 竹内久米司
- 1月17日
- 読了時間: 3分
あなたの人生が変わる新栄養素講義
◇「バランスの取れた食生活」、その本当の意味は?
バランスの取れた食生活が大切なことはだれでも知っているところですね。
でも、その本当の意味を理解していない人が結構います。
要は肉でも、魚でも食べ過ぎは良くありません。
健康に良いとされる青魚などに含まれるオメガ3系の油やオリーブオイルなども、とり過ぎれば中性脂肪が上がります。
つまり、油は油なのでカロリーは高いですし、とり過ぎて体内で余れば中性脂肪になって備蓄されるわけです。
コレステロールが上がる食品の中では、牛乳や赤身肉に加えて小魚も意外な落とし穴になっています。
閉経後の女性などは、カルシウムの摂取を意識して小魚を毎日食べている人もいます。
しかし、体に良かれと思ってやっている食習慣でコレステロールが上がっていることも多いので注意が必要ですよ。
骨粗しょう症の予防の観点からは、そもそも、肉、魚、卵のほか、大豆をきちんと食べ、牛乳を200mL、野菜を350g食べていれば、1日に必要なカルシウムは十分とれるんです。
野菜では、小松菜、チンゲン菜、カブや大根の葉っぱ、モロヘイヤなどにカルシウムが多く含まれます。
そして大豆をお勧めします。
豆腐もしくは納豆、豆乳でもよいので、大豆は必ず毎日食べてほしい食品です。
ちなみに厚生労働省の「健康日本21」では、野菜を350g以上、牛乳・乳製品130g以上、豆類100g以上を毎日とることを推奨しています。
つまり、肉や卵に限らず、特定の食品を過剰にとるといった食習慣はお勧めできません。
体に良いといわれる栄養素を特定の食品からとろうとすると、その食品に含まれるほかの栄養素のとり過ぎにもなりかねないからです。
先に述べたように、カルシウムをとるために小魚を食べ過ぎると、コレステロールが上がります。
アマニ油は確かに体に良いとされていますが、サラダにアマニ油をかけて食べ、併せて天ぷらも食べたら、1日に必要な油の量を越え、むしろとり過ぎになってしまいます。
ですから特定の食品に偏らないよう肉、魚、野菜、乳製品、豆類、果物をバランスよく毎日欠かさずとるようにすれば必要な栄養素はとれるはずです。
昼に魚を食べたら夜は肉を食べる。朝、卵を食べたら夜は食べない。…というように、バランスを考えることが大切です。
なお、野菜に含まれる食物繊維にはコレステロールを下げる作用があります。
コレステロールから作られた胆汁酸は腸の中に分泌され、消化活動に使われます。
食物繊維をたくさんとっていると、その胆汁酸を巻き取って便に出してくれるんです。
ところが、食物繊維の摂取量が少ないと胆汁酸は腸の中に残り、血液の中に再吸収されます。
コレステロールの唯一の出口が腸なのに、そこで再吸収されると血液の中をぐるぐる回っているだけで出ていけなくなってしまいます。
その結果、LDLコレステロールが高くなるわけです。ですから食物繊維もしっかりとりましょう。
すでに私が何度もお伝えしてきた食材の頭文字をならべた「マゴタチワミナニヤサシイカ」は、バランスのととれた食生活の本当の意味を総括した標語なんですよ。
すべての食材を1日でとるように工夫されてみてください。
摂取量は関係なく口にできたらよいとすると意外と簡単にできてしまいますよ。

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