102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.613
- 竹内久米司
- 1月10日
- 読了時間: 2分
あなたの人生が変わる新栄養素講義
◇「食事のコレステロールは気にしなくてもいい」というのは本当?
〇コレステロールを多く含む食材
コレステロールは皆さんもご存じの通り、レバーなどのモツ類、タラコ、明太子などの魚卵に多く含まれています。
コレステロールは脂質の一種ですから、当然、肉の脂身などにも多く含まれます。
そこで盲点なのが、ヘルシーなイメージのある赤身肉やささみです。
こうした部位は細胞がギュッと詰まっているので、細胞膜をつくるコレステロールをたくさん摂取することになります。
飽和脂肪酸が少ない代わり、コレステロールは脂身と同じくらい多いんですよ。
赤身は「ヘルシーだからいくら食べてもいい」と思いがちですが、決してそんなことはないので注意が必要です。
そして、コレステロールが多いといえば卵(鶏卵)ですね。
1個に約200mgも入っています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では2015年版でコレステロールの上限値がなくなりました。
けれど、これは上限を設けるだけのエビデンスがないためで、いくらとってもいいという意味ではありませんでした。
私は、毎朝食に卵1個をたんぱく源として食べていますが、コレステロールをたくさんとれば、やはりLDLコレステロール値は上がることが多いので気を付けています。
実は、約2万人を対象にした疫学調査から、卵を食べる量が増えるにつれて死亡率が上がっていくことも確認されています(Am J Clin Nutr. 2008;87(4):964-9.)。
この報告から食事摂取基準の2020年版からは「LDLコレステロールの高い脂質異常症の人はコレステロールの摂取は1日200mg未満が望ましい」とされました。
卵は高齢者にとって貴重なはたんぱく源ですが、ほかの食品にも含まれていますから、この値をオーバーしないように気をつけましょう。

健康な人では上限が定められていませんが、300mg程度が妥当だと考えられています。
目安として、牛乳200mLに、肉と魚をそれぞれ50~100g(手のひらサイズくらい)ずつ、そして卵1個くらいなら、1日に摂取するコレステロールが約300mgに収まります。
私もこれを基準に食べるようにしています。
焼肉好きな方は当然50~100g程度の肉ではすまないでしょうから、一気にとり過ぎになります。焼肉などで肉を食べ過ぎたときは1週間の中で調整して、コレステロールの帳尻を合わせるようにしてみてはいかがですか。

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