102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.601
あなたの人生が変わる新栄養素講義
糖質の賢い摂取法:過剰や不足が引き起こす老化や筋肉減少を防ぐために⑦
◇“朝食の食物繊維が昼食時の血糖値スパイクを抑える!
同じ量の炭水化物を食べる場合でも、先に野菜や肉・魚などのおかずを食べると、糖の吸収がゆっくりになることは、よく知られているところです。
野菜には食物繊維が含まれており、特にサラダにかけるドレッシングの酢や脂質の働きで、胃から小腸への移動が遅くなるため、糖質の吸収も緩やかになるのです。また、肉や魚に含まれるたんぱく質は消化に時間がかかるため、最初に食べておくと胃の動きがゆっくりになり、血糖値の急上昇を防ぐホルモン(GLP-1)が分泌されることで、血糖値の急上昇が抑えられることがわかっています(Diabetologia. 2016 Mar;59(3):453-461.)。
普段の食事で、野菜や果物、穀類などに含まれる糖質については、食べ過ぎなければそれほど気にする必要はありません。
もし気になる場合は、白米に玄米や雑穀を混ぜたり、パンを全粒粉入りに変えると、食物繊維の働きで糖の吸収がゆっくりになります。目安として、色の濃い炭水化物を選ぶと良いでしょう。
たとえば、更科そばより田舎そば、白米よりは七分づきの米や玄米を取り入れる、といった考え方をお勧めします。糖質摂取による血糖値の上昇をより抑えることがでます。
また、うどんやパスタなど、炭水化物だけの食事はできるだけ避けた方が良いです。これは、糖質の吸収をゆるやかにするだけでなく、糖質をエネルギーに変えるためにビタミンやミネラルが必要だからです。そのため、炭水化物だけでなく、肉や魚、根菜類などもバランスよく取り入れることが大切です。
栄養のバランスを考えるのは難しいかもしれませんが、まずは1日に10種類の食品を摂ることを目標にすると良いでしょう。そのためにも、朝食を抜かないことが重要です。朝食を抜くと、1日に10種類の食品を摂るのが難しくなってしまいます。
1日10種類の食品を無理なく摂ることを目的として、私は「マゴタチワミナニヤサシイカ」を提唱してきました。すでに会員のみなさまは周知のこととお思いますが、食材の頭文字をつなげたものです。すなわち
「マ」は豆類、「ゴ」はゴマなどの種実類、「タ」は卵、「チ」は乳すなわち乳製品、「ワ」はワカメに代表され海藻類、「ミ」はお水、「ナ」はナッツ類、「ニ」は肉類(特に鶏肉)、「ヤ」は野菜類、「サ」は魚及び貝類、「シ」は椎茸などのキノコ類、「イ」はイモ類、「カ」は果実類です。
1日3食の中で各食材を少量でも取っていくとバランスの良い食事になります。
脳が欲する食材でもあります(^^)/
そして、大事なことは朝食をしっかり食べることです。朝食をとることで思わぬ効果が期待できるからです。
特に、カギとなるのは朝食に含まれる食物繊維です。
朝食で食物繊維を十分に摂ることで、その食事での糖やコレステロールの吸収が抑えられるだけでなく、昼食時の血糖値の上昇を抑える「セカンドミールエフェクト」という効果も期待できるからです。
また、朝食で多くの食物繊維を摂ることで、血中脂質が低下しやすいこともわかっています。健康を保つためには、この朝食が重要なポイントになると考えています。
簡単な朝食でも数種類の食材が摂れます。
パートナーと食べる朝食は私が用意しますが、定番で、キャベツやブロッコリー、ピーマンなど3種類くらいの野菜と、エリンギなどのキノコ類などレンジで蒸したサラダ塩昆布生合え、トマト、卵料理(ジャコやシラスを入れた卵焼き/スクランブル/目玉焼き)、チーズ(カマンベール)、カニカマ、ソーセージ/ベーコン、果物(旬の果物を2-3種類を各少量)、プレーンヨーグルト(黒ゴマきな粉、ブルーベリー、ナッツ類添え)です。朝食だけで私の場合、「マ」、「ゴ」、「タ」、「チ」、「ワ」、「ミ」、「ナ」、「ニ」、「ヤ」、「サ」、「シ」、「カ」と「イ」のイモ類を除いて摂れてしまいます(^_-)-☆
毎朝、欠かさずつくっています。
Comments