102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.599
あなたの人生が変わる新栄養素講義
糖質の賢い摂取法:過剰や不足が引き起こす老化や筋肉減少を防ぐために⑤
◇極端な糖質制限が逆効果、脂肪を蓄えやすい体質を招く!
体内でブドウ糖を作ることができるので、必ずしも摂取しなくてもいいのではと考える人もいるかもしれませんが、実はブドウ糖を取らないと体に負担がかかると言われています。
たとえば、糖新生というプロセスは筋肉の減少につながりやすいのです。
極端に糖質を制限すると、体はまず筋肉を分解してブドウ糖を作り出そうとします。
そのため、ダイエットを目的に糖質を制限しても、脂肪が減るどころか筋肉がやせてしまい、絶食後に糖分を摂ると、かえって太りやすくなってしまうのです。
糖質制限ダイエット後にリバウンドしてしまうのはこのためです。
なぜ筋肉が減ると太りやすくなるのでしょうか。
まず一つ目の理由は、筋肉を維持するためにはたくさんのエネルギーが必要で、筋肉量が減るとエネルギーの消費量も減ってしまうからです。
これがいわゆる「基礎代謝量の低下」というもので、消費エネルギーが減ると、以前と同じ量の食事をしていても太りやすくなってしまいます。
もう一つの理由は、筋肉が糖の貯蔵庫であることです。
筋肉量が少なくなると、貯蔵できるグリコーゲンの量も少なくなり、余った糖質が中性脂肪に変わって体脂肪として蓄積されてしまいます。
さらに、絶食後は特に脂肪をため込むモードになりやすいそうです。
体には恒常性が備わっていて、筋肉や臓器を守るため、食事からのブドウ糖の供給が途絶えて糖新生が始まっても、2~3日経てば脂肪をエネルギーとして使い始めます。
そのため、糖質制限ダイエットを続けていると体脂肪が減りやすいのは事実ですが、その状態を維持するのは非常に難しいのです。
そこでカギとなるのは、脂肪から作られるエネルギー源である「ケトン」という物質です。
食事制限で糖質摂取量を減らす状態が続くと、体内ではケトンによるエネルギー生成が活発になり、体脂肪も確かに減っていきます。
しかし、その状態が長く続くと、体が危機感を覚え、脂肪をため込むモードに切り替わってしまうのです。
一度脂肪をため込むモードに入ると、ダイエットを終えて糖質が体内に入ってきたときに、どんどん中性脂肪に変えて蓄積してしまいます。
これが糖質制限ダイエット後にリバウンドする理由と考えられています。
糖質制限ダイエットを繰り返す人は、ますます太りやすい体になってしまう可能性があるということです。
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