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102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座No.591

あなたの人生が変わる新栄養素講義

健康・長寿に不可欠な「第6の栄養素」食物繊維⑥


「食物繊維」を手軽にとる方法は? 重要なのは主食選び


「第6の栄養素」として注目されている食物繊維。

食物繊維をたくさん摂る人は、がんや脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などのリスクが低いことがわかっています。これまで5回に分けて、ヒトが消化吸収できない食物繊維がどのように健康に役立つかをご紹介してきました。

今回から、来年から摂取目標量が大幅に増えることを受けて、普段の食事でどうやって食物繊維をとるかについて、日本食物繊維学会副理事長で静岡県立大学教授の西村直道先生の記事を基本に解説してきます。


◇2025年から食物繊維の摂取目標量が大幅にアップ?


食物繊維をたくさん摂っている人が病気や死亡リスクが低いことはこれまでに解説してきましたし。

では、健康に長生きするためには、1日にどれくらいの量の食物繊維を摂ればいいのでしょうか?


食物繊維の摂取量と生活習慣病の発症率や死亡率との関係を調べた研究や、アメリカやカナダの食事基準を参考にすると、日本人の成人は1日に24g以上、できれば1000kcal当たり14g以上の食物繊維を摂るのが理想とされています。


しかし、平成28年の国民健康・栄養調査では、日本人の食物繊維摂取量は成人男性の中央値で1日14.0g、成人女性の中央値で1日13.5gと目標には届いていませんでした。


現在の目標量は、18~64歳の男性で1日21g以上、女性で1日18g以上とされています。

ところが、2024年3月に行われた厚生労働省の有識者検討会で、来年策定される「日本人の食事摂取基準(2025年版)」からは、食物繊維の目標摂取量を1日25g以上に引き上げる方向であることが報告されました。


背景には、食物繊維の測定方法が変わったことがあるそうです。

これまでの方法では難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)を正確に測定できなかったのですが、新しい測定法では難消化性でんぷんも測定できるようになったためです。


難消化性でんぷんとは、でんぷんの一種ですが、その構造上、消化しにくく食物繊維に分類されます。

特に米などの穀類に含まれているため、食物繊維の摂取量が増えることになります。まだすべての食品の成分測定が完了していないため、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、穀類の中でも以前の計測法と新しい計測法で測定されたものが混在しています。


それでも令和元年の国民健康・栄養調査では、食物繊維の摂取量が平均して3gずつ増えています(成人男性中央値18.9g、成人女性中央値17.1g)。


新しい基準での食物繊維含有量の測定が進めば、実際の摂取量はさらに増えると考えられています。


ただし、目標摂取量が1日25gとなると、現在との差は男性で約6g、女性で約8g以上になります。

これだけの量の食物繊維を一気に増やすのは現実的ではありませんね。

本当に目標量を25gにすべきかどうかが議論になっています。




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